五輪関係者が米国時間8月2日、北京五輪を取材する外国人ジャーナリスト向けのインターネットアクセスの制限について中国政府との「取り決めは無かった」と述べた。
BBCによると、国際オリンピック委員会(IOC)会長であるJacques Rogge氏は北京で開催された記者会見で、「制限を受け入れるいかなるどんな取り決めもなかったことを断固として主張する」と述べたという。また、同氏は、中国の五輪組織を称賛した。しかし、メディア関係者は制限されないという合意を中国政府が守らなかったことに対する広範囲に渡る世論の批判を受けた謝罪には至らなかった。
Rogge氏は、先ごろ一部の報道で、複数の五輪関係者が中国政府との交渉を認識していたことが表面化した件については言及しなかった。IOCの広報担当チーフのKevan Gosper氏は7月30日、委員会メンバーが、中国政府にセンシティブなサイトをブロック可能にすることで合意したとReutersに対して述べた。Gosper氏はReutersに対し、「北京五輪組織委員会(BOCOG)が、五輪開催中にウェブサイトアクセスは制限された状態になると発表したようだが、遺憾である」と述べた。「また、私は現在、複数のIOC関係者が、五輪とは関係がないと見なされるセンシティブなサイトをブロックすることで中国政府と交渉したと聞いている」
中国はその後、多くのサイトのブロックを解除しているが、Associated Press(AP)によると、8月2日午前時点で、中国政府が難色を示す多くのサイトがブロックされ続けていたという。ブロックされるサイトは日々変更されているようである。
中国政府とIOCはかつて無いほどの国際的な監視の目にさらされている。評論家らは、中国は北京五輪の間、世界中の聴衆の目線を制限しようとしている可能性があると懸念の声をあげている。限定されたネットアクセスの他にも、天安門広場でのテレビ生中継放送が制限されていることについても、複数の放送局から不満の声が上がっている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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