改善に結びつくKPIを立てるには--ユーザーシナリオによるKPI策定 - (page 3)

磐前豪(ビービット)2009年02月25日 08時00分

 ただ反面、アクセス解析には限界もあります。アクセス解析は行動の結果はわかりますが、なぜそのような結果(数値)になったのか、背景まで語ってはくれません(参考コラム:第42回 アクセス解析の罠 〜ユーザー行動観察調査の併用による解決〜)。

 そこで重要となる考え方が、「ユーザーシナリオ」です。

 ユーザーシナリオとは、ユーザーが最終的にサイトのゴールにまでたどり着くまでの道筋や戦術を示すものです。

 ユーザーシナリオはユーザーが持つ前提知識やユーザーニーズ、心理面の変化にまで踏み込み作り上げていきます。ユーザーのニーズや行動特性と、サイト内外の要素を踏まえて、ゴールまでのユーザー行動をデザインしていきます。

 ユーザーシナリオを定義することで、ウェブサイト(またサイト外も含めた)の無数の通り道のなかから、成功因子になるものと、それほど重視しなくても良い要素とを識別できるようになります。

 このユーザーシナリオを策定するには、なるべくユーザー行動観察調査のようなユーザーの心理や背景を探る調査手法を用いるのが望ましいでしょう。

 まとめると、冒頭で示した、色々な数字を見ているもののなかなか改善に繋がらないという課題は、以下が原因といえるのではないでしょうか。

  • ユーザーシナリオが定義されていない
  • KSFが突き止められていない
  • KPIがKGIに結びつく指標になっていない

 逆にいえば、以下のようなステップを踏むことにより、KPIを策定していくことが可能となります。

KPI策定のステップ

 KPIが定義できたら、具体的な測定方法、測定サイクル、目標値を設定していきます。良いKPIは、効率的、効果的な成果管理を可能とし、ROIを向上するうえで欠かせない戦略的な指標といえるでしょう。

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