Microsoftが、「Microsoft Office」を他のファイル形式にオープンにする計画を進めている。文書の互換性に関する政府と企業の懸念を鎮めることを狙った動きだ。
Microsoftは、これを透明性向上を促進するための一歩と表現し、「OpenDocument Format」(ODF)のサポートをどのように「Microsoft Office 2007 Service Pack 2(SP2)」に組み込んだかを記述することを意図している。Office 2007 SP2は、現在まだベータ段階だが、製品版が2009年前半に出荷される予定だ(仕様の各要素がどのように実装されているかは、MicrosoftのワーキンググループDocument Interoperability Initiativeのウェブサイトの記述で読むことができる)。
Microsoftは、米国時間12月16日に行った発表の中で、Officeで競合のフォーマットに対するサポートを強化するという、2008年5月に最初に行った約束をふたたび強調している。
IT部門は長年、異種環境でもシステム全体でデータ損失を招くことなく、データフローを最大限維持できるよう苦闘してきた。環境が同一であろうと異なっていようと、顧客は往々にして、さまざまなフォーマットで文書を保存したいと考える。この傾向は、Microsoftにとって必ずしも有利なものではなかった。実際、英国教育工学事業団(BECTA)は2008年5月、Office 2007に関する苦情を欧州委員会に申し立てた。BECTAの主張は、Office 2007がODFをはじめとするオープン標準にネイティブで対応していないため、教育関連のイニシアチブを妨げるというものだった。
MicrosoftでOfficeソフトウェアスイートに関する互換性の問題を扱うプロジェクト責任者のDoug Mahugh氏は、今回の動きが、情報開示や透明性、フォーマットのサポートといったより幅広い文脈の中で進められていると説明した。
「目標に到達するには、標準に準拠するだけでは十分ではないということがわかった。われわれは、その標準準拠にかかわる全設計の決定について、透明性を確保する必要があった。それは、われわれが互換性確保の動きの中で行っていた多くのことをまとめる道のりだった」(Mahugh氏)
それが適切だったかどうかはともかく、Microsoftの認識は、OfficeではODFを第一級のフォーマットとして扱わないというものだった。
「われわれが(Office 2007)SP2にODFのサポートを組み込んだのは、そのようなフィードバックがあったからだ」とMahugh氏は語った。
今後数カ月中に、Microsoftは同社の提唱するドキュメントフォーマット「Office Open XML」(OOXML)に関して、同様の実装情報を公開していく、と同氏は付け加えた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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