英国教育工学事業団(BECTA)は現地時間5月19日、Microsoftに関する苦情申し立てを欧州委員会に提出したことを明らかにした。同社が「Office 2007」で利用している最新のファイルフォーマットはオープン標準にネイティブで対応していないため、教育関連のイニシアチブを妨げるものだと主張している。
問題となっているのは、Office 2007とOpenDocument Format(ODF)の相互運用性だ。ODFは政府や教育機関から幅広い支持を得ているフォーマットで、2つの規格はライバル関係にある。Microsoftはネイティブでサポートするかわりに、WordユーザーがODFで保存された文書を開くための変換ツールを提供するという対策をとっている。Microsoftはまた、オープンソースの変換ツール開発プロジェクトも支援している。
BECTAは、NPOのOpenForum Europeなど他の団体と共に、Microsoftの取り組みは十分ではないと主張している。BECTAは1月、英国の教育機関に対し、「Windows Vista」とOffice 2007へのアップグレードを控えるよう忠告している。
「相互運用性が十分ではないので、学生や家族はオープンソースのオフィスソフトなど、無料あるいは低価格で提供されている代替ソフトウェアに手を出せない」とOpenForum Europeの最高経営責任(CEO)であるGraham Taylor氏は声明で述べている。
これに対し、Microsoftの担当者は、同社は教育と相互運用性に取り組んでいると回答した。また、教育プログラムのためにVistaとOffice 2007にアップグレードする学校が増加しているとも述べている。
「Office 2007とODFベースの製品の間の相互運用性を推進するため、ツールの開発に投資してきた。今後もBECTAや欧州委員会と協力的な形で協業し、この問題を解決していきたい」とMicrosoftは声明で述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」