いいえ、そんなことはありません。なぜなら、どのような状況にも利用できる万能の製品など存在しないからです。われわれは、できる限り多様な開発者ができる限りリッチな開発を行えるように努力しているのです。開発者の中には、ユーザーインターフェースなどどうでもよいという人もいれば、すべてをJavaScriptで開発する必要があると考えている人もいますし、より堅牢な、あるいはより充実した3Dインタラクション環境を望んでいる人もいます。このため、われわれはそういった開発者すべてを満足させたいと考えています。そして、彼らの抱えているすべての問題に対する答えを押しつけようなどとは考えていないのです。
われわれは、標準化を推進する手段としてのJCPを信じています。しかしJCPの性質を考えた場合、JCPではイノベーションが難しくなるのです。このためわれわれは、生み出そうとしているイノベーションを核にして標準化を推進すべく、他のJCPメンバーと協力し合って作業しています。JCPのメンバーは皆、革新的かつ創造的な人たちです。私はJCPのことを、イノベーションの流れを断ち切って過去に遺恨を残すための手段ではなく、標準化を確立するため手段として捉えるのが一番であると考えています。
開発者にぜひ知っておいてもらいたいことは2つあります。まず、使ってみてもらうのが一番だということです。新たにリリースされたNetBeans IDE for JavaFXをダウンロードし、使ってみてほしいのです。そうすれば他のテクノロジではできない、あるいは従来のJavaプラットフォームでもできなかったことで、JavaFXでできることが簡単に判ってもらえるでしょう。
知っておいてもらいたいことの2つ目は、開発者に向けたことというわけではなく、多くの人たちがここ数年間で見聞きしていることだと思います。それは、消費者がすべてだということです。自らのビジネスを展開したいのであれば、自らの消費者を獲得する必要があります。ご存知のように、ブラウザは敵対的なものになってしまっています。しかし、Javaプラットフォーム上でJavaFXを採用することで、開発者は自らの消費者を獲得することが可能になるのです。独自のソーシャルネットワークを構築するという観点から見た場合、消費者側のデフォルト設定を操作するということは避けたいはずです。新たなネットワークサービスや、新たなソーシャルサービス、あるいはユーティリティサービスを提供する場合に関係なく、自らの消費者を獲得するということがチャンスを創出するということであり、われわれはそういったことを開発者が行う際の助けになりたいと考えているのです。
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