ポメラ(pomera)はテプラに続くヒット商品となるか--キングジム開発者に聞く - (page 4)

坂本純子(編集部)2008年12月05日 08時00分

――パンタグラフキーボードは、開発者である立石さんのこだわりですか。

立石:ノートPCからポメラに移ったときに、いかに我慢する要素を少なくするかを考えました。使い心地があまりにも違いすぎると、ポメラを使わなくなり「損をした」と思われてしまいます。パソコンと同じものを使わなくてはと考え、パンタグラフキーボードは必須でした。

――立石さんにとって理想のキーボードはどんなものでしょう。

立石:打ち心地でもっとも好きなのは、NECの8801時代のキーボードです。グッと押したときの“カクッ”くるしっかり感、そのくせキータッチのフィーリングは軽いというのがよかった。

――ポメラのキーに関して、ストロークが浅めのようにも感じます。

ポメラのパンタグラフキーボード ポメラのパンタグラフキーボード

立石:ここは完全に好みですね。押したときのトルク曲線は、それもいくつも試作をつくって最終的に決定しています。いろいろ声はいただいていますが、押下圧は60gです。一般のノートPCでは60〜70gです。それ以上低くすると、耐久性が落ちてしまうので、60g+−10gで設定しました。

 パソコンよりも硬めに感じるのは、キーそのものの面積が小さいからだと思うのです。フルキーボードだと、かなり軽いタッチだと思います。キーピッチは約17mmで、その中でも一番軽くしながら耐久性との兼ね合いで60gにしました。

――入力のしやすさという点に関連して、キーの入れ替えなどのカスタマイズやATOKの変換に関するショートカットキーのフルサポートなどは考えなかったのでしょうか。

立石:今回のポメラは、そのまま開いてそのまま使っていただこうという、シンプルなコンセプトで始まった製品です。ジャストシステムさんと開発の打ち合わせをし、これを積もうか、こうしてほしいというのがあったのですが、プレーンなもので十分だと考えたんですね。結果、不満の声もいただいているので、今後の展開の参考にしたいと思っています。

――ATOKに関連して、PCとの辞書連携や、オプション辞書が使えると入力ツールとしてより便利になると思うのですが。

ボタンを押すと折りたたみ式のキーボードが開くしくみ ボタンを押すと折りたたみ式のキーボードが開くしくみ

立石:でき上がってみて「立石らしいなぁ」と言われるのは、キングジムと初めて入力したとき、キングジムのジムが“事務”になったり、ポメラといれると“歩目等”と出る(笑)。

 皆に笑われますが、いいか悪いのか、まったくそのあたりこだわらないんですね。自分の名前も変換できません。普通は開発者の名前を入れると変換されるもので、テプラではやっているのですが。

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