規模が4000億円を超え、成長し続けるモバイルコンテンツ市場。携帯電話事業者最大手のNTTドコモからは、この市場の現状がどのように見えているのだろうか。11月28日に東京都内で開催されたMCF Mobile Conference 2008(mobidec2008)において、NTTドコモ コンシューマーサービス部 コンテンツ担当部長の原田由佳氏が講演した。
iモードのコンテンツ情報量の売上高は、9月時点で月額210億円。公式サイトのユニークユーザー数はさほど増えていないというが、ページビューは右肩上がりだという。「1人あたりの利用が増えている。905iシリーズの普及などにより、メール/コミュニティやゲーム/コミック/占いなどのカテゴリがかなり伸びている」
有料コンテンツを利用している割合は全体の約50%。20代女性では70%以上に達するという。若い女性にはプリクラ関係のサイトの人気が高く、30代から40代の男性には地図やナビゲーションのサイト、パチンコなどのエンターテインメントサイトがよく利用されているとのことだ。
パケット定額制の加入者が増えていることも、コンテンツビジネスには追い風だ。10月に二段階定額の「パケ・ホーダイ ダブル」を導入したことでパケット定額制の加入者が大きく伸び、FOMA加入者の34%に達した。
これまでパケット定額制の利用者は若年層が中心だったが、パケ・ホーダイ ダブルは30代、40代の加入者が多いとのこと。「加入のハードルが低いので、そこまで携帯電話を使わない層にも広がっている」と原田氏は分析した。
ドコモはコンテンツプロバイダーやサービス事業者を支援するための取り組みも進めている。まず2月に、「お試しマイメニュー」という機能を追加した。これは、有料コンテンツの利用料金を一定期間無料で提供できるというもので、ユーザーがそのサービスを「お試し」で利用できるようにするというものだ。
原田氏は「採用したすべてのサイトの利用者が伸びたわけではない」というが、あるキャラクターサイトではお試しマイメニューを導入した結果、会員数が前月に比べて20%以上伸びたという。「新しいコンテンツの追加やバージョンアップ、キャンペーンと合わせて導入すると効果的」とのことた。
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