月商210億円のドコモが語る、有料モバイルコンテンツの現在 - (page 2)

永井美智子(編集部)2008年11月28日 22時58分

 4月からは、メニューリストの中に新たに「企業・ブランド」というジャンルを増やした。ドコモがユーザーの検索キーワードを調べたところ、企業名やブランド名で検索する人が多いにもかかわらず、モバイルサイトが用意されていないために、ユーザーが情報にたどり着けない場合が多かったのだという。

 「2割くらいしか携帯電話に対応していなかった。そこで、新たに企業ジャンルを作り、モバイル対応を企業に呼びかけている」。現在、企業カテゴリに登録している企業は100社弱。食品、飲料、小売関連のサイトへのアクセスが多いといい、実店舗を持つ企業を中心に増やしていきたいとした。

 コンテンツや商品の代金を、携帯電話の基本料と一緒に請求できる「ケータイ払い」については、これまで上限が月額1万円であったものを、11月に2万円まで引き上げた。これにより、雑貨や食品だけでなく衣料品やブランド品での利用が進み、取扱件数、取扱高ともに伸びたとのことだ。

 このほか、モバイルサイトにアクセスしなくても、iアプリから直接有料サイトに登録できる「ダイレクトマイメニュー登録」という機能も導入した。ゲームや電子書籍など、iアプリを利用しながら続きのコンテンツを購入させるようなサービスで有効とのことだ。現在は月額課金のみの対応だが、今後は都度課金もできるようにしたいと原田氏は話した。

人気ゲームは二極化へ

 原田氏はこのほか、現在人気を集めているコンテンツについても紹介した。ゲーム市場では、ヘビーユーザー向けとライトユーザー向けのものに分かれ、それぞれにヒット作が生まれているという。

 ヘビーユーザー向けとしては、人気作品のモバイルオリジナル版、アイテム課金タイトル、アーケードゲーム連動タイトルが人気を集めた。例えばスクウェア・エニックスの「ファイナルファンタジーIV THE AFTER ―月の帰還―」などは人気作品の世界観をうまく生かした例だ。また、ドワンゴが運営している「悠久の騎士団」は、最大4人で遊べるネットワーク型のロールプレイングゲームで、ゲーム自体は無料で提供し、アイテムに課金することで収益化している。

 アーケード連動型としては、ナムコの「TEKKEN-NET」やスクウェア・エニックスの「ドラゴンクエスト モンスターバトルロードMOBILE」がある。TEKKEN-NETはアーケードゲームの「鉄拳6」で得たファイトマネーを使って、モバイルサイトでアイテムなどが購入できるというもの。モンスターバトルロードMOBILEは、アーケードゲームで使うカードのデータをスキャンして、モバイルゲームで利用できるようになっている。

 ライトユーザー向けで現在人気があるものとしては、ボルテージなどが提供している女性向けの恋愛ゲームや、GPSを活用したマピオンの「ケータイ国盗り合戦」などがある。ボルテージはホストをモチーフにしたシミュレーションゲームで人気を集め、現在は約50タイトルを提供している。ケータイ国盗り合戦はGPSを活用したゲームで、実際にいろいろな場所を訪れることで日本全国を制覇していくスタンプラリーのようなゲームだ。ユーザーの7割以上が30代から40代の男性といい、「既存のゲームにとらわれない発想がユーザーを惹き付けている」と原田氏は分析した。

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