家庭内のどこでも動画が楽しめるIEEE802.11nチップセット、Quantennaから

永井美智子(編集部)2008年11月21日 16時00分

 半導体開発会社のQuantenna Communicationsは11月20日、日本の無線LAN市場に参入すると発表した。同社のチップセットを搭載した機器を使うと、家庭内のどこでも無線LANを介してHD(高精細)画質の動画が楽しめるようになるという。

 

 同社が開発したQuantenna High Speed(QHS)チップセットファミリーは、IEEE802.11n準拠の無線ネットワークを介して、HDコンテンツを配信できるようにする。2.4GHz帯と5GHz帯の両方を使ったメッシュネットワークを形成し、安定した高速通信が可能になるとのことだ。具体的には、2〜4の並列帯域、および最大1Gbpsのスループットをサポートする。

 バッファロー BBS事業部 事業部長の中井一氏は、「干渉とデッドスポットの存在を考慮すると、家庭内全域にわたり信頼性に優れた高速無線LANを通信可能にすることは大変に難しい」とした上で、Quantennaの技術により通信可能範囲が広がり、伝送速度も向上するため、「ユーザーはマルチメディアコンテンツを家庭内のどこからでも安心して確実に受信できるようになる」とコメントしている。

 また、Quantennaの創業者兼CEOであるベルーズ・レズバーニ氏は、「この技術により、IEEE802.11n規格がゲーム、マルチメディア、およびHDTVなどの無線LAN動画サービスを、どのような大きさの住宅でも、どこからでもコスト効率良く配信できるようにするための汎用プラットフォームになる」と自信を見せている。

 チップセットは最大1Gbpsの接続速度と600Mbpsのデータ転送速度を持つ「QHS1000」、最大600Mbpsの接続速度と400Mbpsのデータ転送速度を備えた「QHS600」、最大450Mbpsの接続速度と200Mbpsのデータ転送速度の「QHS450」の3種類。いずれも2008年第4四半期よりサンプル出荷を開始する。

 同社によると、以下のような技術を業界で初めて802.11n準拠のソリューションに統合したとのことだ。

  • 4x4 MIMO無線/トランシーバ:干渉の激しい状況下でも通信を安定させる
  • Txビームフォーミング:受信デバイスの位置を特定し、シグナルをそこに集中させることで、通信可能範囲とデータ転送速度を向上させるとともに、伝送消費電力を削減する
  • 並列デュアル帯域モード:5GHz帯域を介したリアルタイムの動画伝送と2.4GHz帯域を介したデータ伝送を同時にサポートする
  • ベクトルメッシュネットワーキング:アダプティブ・ベクトル・メッシュ・ルーティングを使用することで、あらゆる規模の家庭でも全域に無線ネットワークを行き渡らせるようにする

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画特集

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]