サイトやアプリケーションで最新の状態を記録するために「保存」ボタンを押すというのは、その考え方自体が時代遅れだ。ユーザーがシステムや接続のバグからデータ消失のリスクにさらされることにもなる。
「Google Docs」では、入力と同時に最新内容が保存されるため、その点で「Microsoft Office」より優れている。「Quicken」(ソフトウェアバージョン)では、トランザクションごとに最新内容が保存される。「Microsoft Office OneNote」や「Evernote」といったメモアプリケーションには、保存ボタンがない。保存ボタンなど必要ないからだ(ただし、EvernoteのウェブバージョンにはUIの不具合で保存ボタンが存在している)。
システムが適切に構築されていれば、ユーザーの操作はすべて元に戻してロールバックすることができるため、そもそも保存ボタンが存在する必要はないはずだ(もっとも、多くのアプリケーションでは依然として、ファイルのバージョンに目印をつける手段は必要だろうが)。
筆者はシステム上でパスワードマネージャ(RoboForm)を使用して、アクセスしたサイトの膨大な数の個々のログイン名とパスワードを管理している。これにはもう、うんざりだ。
いったいなぜ、信頼するログイン名を1つだけ使って、いつでも望んだ時にアプリケーションがそのログイン名を使うのを許可すること(そして、重要なことだが、許可を取り消すこと)ができないのだろうか。「OpenID」は、現段階ではメインストリームのユーザーに受け入れられるとは理論上考えにくいが、1つの解決策ではある。もう1つの優れた統一ログインツールとしては「Facebook Connect」がある。
ユーザーがアクセスするすべてのサイトのパスワードを記録しておくのは、現実的に不可能になりつつある。もっといい解決策があるはずだ。
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