新たにAMDからNetbookが誕生するのだろうか?そうかもしれないし、そうではないかもしれない。
米国時間11月13日に開催された金融アナリスト向け説明会にて、AMDは、「超小型ノートPC」市場をターゲットにした、新たなシリコン技術となる「Yukon」の発表を行った。
AMDは今回、Yukonに関して、くれぐれもNetbookという限られた枠内ではなく、より機能的に優れた超小型ノートPCというカテゴリでとらえるようにとの姿勢を、徹底して打ち出している。
Yukonが理想に掲げるフォームファクターは、同社広報担当のJohn Taylor氏によれば、13インチの液晶ディスプレイを搭載する、超薄型の、まるで「MacBook Air」のようなスタイルの設計である。
要するに、AMDは、大人気を博しているNetbook市場への参入を狙って、Yukonを投入するのではない。Taylor氏は「Yukonがターゲットとしているのは、もっと大型の液晶ディスプレイを搭載する、薄型のフォームファクターである。10、11、12インチの小型ディスプレイサイズが狙いではない」と説明している。もちろんTaylor氏は、(Yukonを搭載した)小型のNetbookスタイルのデザインが登場する可能性も否定はしなかったものの、NetbookがYukonのターゲットではないことを、改めて強調した。
これはなぜなのであろうか?Taylor氏は、AMDのアプローチが「完全なPCエクスペリエンス」の提供にあると語っている。「現在、市場に出回っている、いわゆるNetbookカテゴリの製品には、これが欠けている」と、Taylor氏は述べた。同氏によれば、AMDは、ATI部門が提供するグラフィックスチップ技術を活用することにより、Yukonで、さらにハイレベルのPCエクスペリエンスを提供することを目指す予定である。
AMDが、現時点で明らかにしている、Yukonの技術仕様としては、シングルコアまたはデュアルコアのオプションで、25ワット程度の消費電力のプラットフォーム(プロセッサおよびチップセット)となっている。現在、AMDがメインストリームに提供している「Turion」プロセッサの消費電力は、30ワット以上である。
さらに、Taylor氏は、Intelが掲げるNetbookの戦略が、少なくとも12インチ未満、特に現時点での主流は10インチ未満というサイズの小型液晶ディスプレイに限定されがちであることに着目している。Intelを名指しで言及することはなかったものの、同氏は、このNetbookの限定戦略は、「既存の事業セグメントの保護」を目的にしていると指摘した。つまりは、もしIntelが、より大きなサイズの液晶ディスプレイをターゲットとするチップを提供するならば、多くの売り上げを誇る、Intelの他のメインストリームのモバイルプロセッサの存在を脅かしかねないという点が危惧されているというのだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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