同社がサービス提供を目指すクラウドコンピューティングに関しても、「セキュリティやプライバシーで違う考えが必要」(同)だという。プライバシーやセキュリティを強化することが「(クラウドサービスが)成功するかどうかの決定要因になる」(同)と話す。
Cullen氏は、ITのサービスに対して「コンシューマが信頼を失っている」と指摘し、ITサービスの信頼性が成功の基盤になるとの考えを示す。その上で、さまざまな形での投資が必要で、テクノロジーやコンシューマーへの案内、サービス提供者側への指針、パートナーとの連携などの必要性を挙げる。
プライバシーを保護するためには、「侵入の最小化」「情報の管理」「攻撃からの保護」という「3つの主要なフレームワーク」(同)を同社は提供する。その中でCullen氏は広告サービスの分野に言及し、オンライン広告の提供とユーザーを識別する情報を結びつけず、ユーザーが自分の情報をコントロールできるようにすればよりユーザーは安心できると指摘する。
Cullen氏はプライバシー保護には「いくつかの鍵がある」として、データの管理、保存、利用、廃棄に関する厳格なポリシーや、効果的なセキュリティ技術、ベストプラクティスの業界内での共有などに加え、各国での法制度の整備推進や、ユーザーへの啓発活動も重視する。
業界内の協力では、「競争他社とのコラボレーションも必要」と指摘し、エコシステム全体でプライバシー保護に取り組むことが必要だと話す。
同社は、ソフトウェアやサービスの設計段階からプライバシーを意識して開発を進めている。例えば次期ウェブブラウザのInternet Explorer 8ではフィッシングからの保護のためにフィッシングフィルタを導入している。さらにフィッシング対策では、ユーザーがアクセスしたURLとIPアドレスをリアルタイムでチェックしているが、「URLをMicrosoftとユーザーで共有するので懸念も発生する」(同)。そのため、フィルタリングに不要なURLの部分は排除し、IPアドレスは必要なくなったら破棄する、という手段を講じているという。
Cullen氏は、各国で異なるプライバシーに対する意識については「最も高いバーを設けること」と、「それを各国で一貫性のある形で提供すること」という2点を挙げ、最も厳しい基準で提供していく考えを示している。
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