11月7日、パナソニックは三洋電機を子会社化すると正式発表した。両社は資本、業務提携に向けた協議を開始することで合意しており、同日夜にパナソニック代表取締役の大坪文雄氏、三洋電機代表取締役の佐野精一郎氏が出席し、記者会見が開催された。
「パナソニックと三洋電機は相通じる考え方を持つ企業。こうした両社が協業していくことにより、経営ノウハウや資源を共有し、グローバル競争力をいっそう強化することができる。(今回の提携が)企業価値の最大化、世界中のお客様、株主のみなさま、従業員、ステークホルダーのみなさまにとって大きく貢献できると信じ、今回の決断に至った」(大坪氏)と発表に至るまでの経緯を話した。
一方、三洋電機の佐野社長は「今回の資本、業務提携の協議開始によって、当社はパナソニックから大きなサポートを得た。先行きが極めて不透明かつ厳しい経営環境の中で、当社の中期経営計画の達成に専念できる非常に大きなチャンスを得たものと受け止めている」とした。
さらに優先株の問題においては「懸案であったが、一定の節目をうつことができた。当初は2010年までの中期経営計画の達成を最優先課題とし、優先株問題については、将来的な課題と考えていた。しかし9月の金融危機以降、具体的に考えなければいけないタイミングが早まったと感じていた」(佐野氏)と話し、ここ最近の経済環境が、時期を早めたことを明らかにした。
パナソニックは、三洋電機のエナジー、エレクトロニクス、エコロジーの事業領域に関して「素晴らしい技術力、競争力を持つ会社」と評価しており、中でも電池分野に関しては「競争力のある技術を組み合わせた総合力の発揮が可能になる」(大坪氏)と期待を寄せる。
また、白物家電やデバイスなど両社がともに手がける製品ジャンルに関しては「重複している製品があることは事実。今後一番知恵をしぼるところだと思っている。ただし、製品を詳細に見てみると同じマーケット、同じ思想を持つ製品はそれほど多くない。ラインアップの充実という考え方で、ターゲット、マーケット、セグメント別にうまく当てはめられるのではないだろうか」(大坪氏)と分析する。
今後の三洋ブランド、雇用について質問が及ぶと「三洋電機は自ら厳しい経営状況を社員一丸となってくぐり抜けてきた。パナソニックグループの一員になっても、より自己実現できるよう、絶大な支援をしていかなければならないと思っている。ブランドに関しても60年やってこられた重要なもの」と維持する姿勢を見せた上で、「ただし、経営というものは勝ち残ってはじめて意味がある。仕事は永遠に続けることができてはじめて目的を達成することができる。そういう状況から考えてただ甘いだけの話しはない」(大坪氏)と続けた。
続いて佐野社長も「事業が継続しない限り、雇用は継続できない。そのための必要な構造改革はする」とした。
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