三洋電機は11月5日、2009年3月期第2四半期の連結決算概況を報告した。売上高は前年同期比2.5%増の1兆67億円、営業利益は同マイナス11.3%の240億円となった。リチウムイオン電池、太陽電池などの電池関連が増益に結び付いたものの、為替の変動や市況悪化による単価下落の影響を受けたとしている。
決算概況は代表取締役社長の佐野精一郎氏が説明した。パナソニックとの買収問題については「11月に入り、優先株式所持に関して種々の報道がされているので、一言触れさせていただきたい。11月1日に開示したとおり、鋭意検討を進めているが、5日現在正式に決まったことはない。開示すべき事項が決定した段階で速やかに開示する」と説明会冒頭に話した。
部門別では、AV機器や白物家電などパーソナル製品を扱うコンシューマ部門が同3.4%増の3745億円となったものの、営業利益は3億円の赤字。「為替の影響や競争激化による価格下落の影響で減益となった。ただ薄型テレビや洗濯機、デジタルカメラなどは売上を拡大している」(佐野氏)と、堅調な製品があることを強調した。
また、半導体や電池関連を有するコンポーネント部門では、同2.5%増の4837億円、営業利益は362億円の黒字となった。デジカメやビデオカメラなど完成品の市況悪化により、半導体や電子デバイスは落ち込みを見せたが、リチウムイオン電池、太陽電池は堅調に推移し、市場を牽引しているという。
「2次電池は携帯電話の市場が低迷したが、ノートPC、中でもネットブック用の需要が伸びている。2010年度末までには生産の能力を月産1億個を超えるレベルにまで拡大するとともに、ハイブリッド電気自動車(HEV)事業への戦略投資を具体化する」(佐野氏)と、今後も積極的に取り組んでいくことを明らかにした。
また、太陽電池を含むソーラー事業に関しても「海外での積極的な拡販により、下期の海外売上高は対前年比で152%。2008年度末にはHIT太陽電池セル生産能力を前年度比3割増の340MWに増強する。また、薄膜太陽電池の早期事業化に向け、新日本石油との協業プロジェクトを推進する」(佐野氏)と好調さを伺わせる。
こうした電池事業の好調さなどを受け、2010年度までの「新3カ年計画」に対しては「1年目としてはまずまずのスタートが切れたのではないかと思っている」(佐野氏)と評価した。
ただ、昨今の経済情勢に対しては「当社の想定を上回る大変厳しいもの。エナジー、エコロジー、エレクトロニクスの事業領域の施策を着実に実行するとともに経費削減、原価率低減に積極的に取り組んでいく」(佐野氏)と厳しい環境にあることを話した。
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