Salesforce.comの最高経営責任者(CEO)であるMarc Benioff氏は、SAPがクラウドコンピューティングを理解できていないと批判し、MicrosoftのインターネットベースのOS「Azure」を酷評した。
Benioff氏は、サンフランシスコで開催されていたSalesforce.comのユーザーカンファレンス「Dreamforce 08」において、SAPのSaaS方式によるERPプロジェクト「Business ByDesign」の遅れに疑問を投げかけ、ドイツに拠点を置く同社に対して、Salesforce.com独自の開発プラットフォームである「Force.com」を使用してみてはどうかとさえ述べた。
Benioff氏は同カンファレンスにおいて、SAPのBusiness ByDesignへの取り組みが「ひどい」ものだと述べた。同氏はSAPのこのプロジェクトを「大失敗」と評し、「彼らがそれを開発している方法はめちゃくちゃだ」と付け加えた。
「彼らが独自のプラットフォームを持つ必要があるというのはナンセンスだ。私が思うに、彼らはクラウドコンピューティングが何であるかを理解できていないのだ」(Benioff氏)
Benioff氏はMicrosoftのクラウドコンピューティング戦略も槍玉に挙げ、MicrosoftのウェブベースOSであるAzureでは、自社独自のテクノロジを推し進めて他社を排斥するという同社の従来のアプローチが続けられているに過ぎないと述べた。
同氏は「(Microsoftは)市場における独占状態を利用して、この業界をコントロールし、われわれ全員を1つの箱に押し込めようとしている。彼らはただ、Microsoftが業界すべてだと考えているのだ」と付け加えた。
「われわれは皆を愛しており、ベンダーを愛している。この愛というものがわれわれの戦略の核なのだ」(Benioff氏)
Salesforce.comはDreamforceの場において、同社のForce.com開発プラットフォームに関連して、AmazonやFacebookとの相互運用性へのイニシアチブを発表している。
Salesforce.comは自社独自のクラウドコンピューティング機能を「Force.com Sites」で拡張したにもかかわらず、Benioff氏は同社がSaaS版のスイスアーミーナイフのような万能性を求めるつもりはないと述べている。
「われわれはCRMとプラットフォームに注力している。われわれが何でも屋になろうとしても、うまくいかないだろう。何に注力するかを選択する必要があるのだ」(Benioff氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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