富士通とSiemens AG(シーメンス)は11月4日、シーメンスが保有するFujitsu Siemens Computers(Holding)B.V.(富士通シーメンス)の株式すべてを富士通が取得することで合意したと発表した。
買取金額は、約4億5000万ユーロ。関係する政府機関の承認を条件に、2009年4月1日より完全子会社となる見込み。それまでの期間は、ジョイントベンチャーとして富士通シーメンスの事業を続けていく。富士通シーメンスCEO兼社長バーント・ビショフ氏は退任し、CFOカイ・フローレ氏がCEO兼社長となった。
なお、子会社化は好意的な合意のもとに行われたもので、レイオフなどは考えていないという。
富士通シーメンスは、1999年10月1日に50対50のジョイントベンチャーとしてオランダに設立。PCやサーバ、ストレージなどIT機器や関連サービスを中心とした事業を行っている。市場シェアは、EMEA(Europe、Middle East、Africa)ではPCやPCサーバともに4位という。2007年度の売り上げは、66億1400万ユーロ、利益は7300万ユーロ。
サーバのマーケット動向は、CPU別に見るとIAサーバが伸びており、2007年から2012年までに29%の伸びを予測する。
今後は富士通シーメンスが強みとするサーバ事業の中でも、IAサーバを中心に力を入れるという。グローバルに統一したラインアップやマーケティングなどでローコスト化を図る。また、富士通シーメンスを足がかりに日本国内のプロダクト販売の拡充、新興国市場への参入とビジネス展開なども拡大していくとしている。
富士通 代表取締役の野副州旦氏は、「富士通シーメンスの完全子会社化は、富士通が追求するテクノロジに支えられた“サービスとプロダクトの両輪”でのビジネスをグローバルに展開する扉をひらくもの」とグローバル化に向けた一歩だと強調した。
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