クロス・マーケティングが公開価格割れ--株式市場下落の影響受け - (page 2)

 需給面も良好だった。公募株式数は53万株、オーバーアロット分を含む売り出し株数は17万株。市場からの吸収金額は約4億円で、一般的なIPO銘柄としては軽量級の部類に入る案件だ。

 クロス・マーケティングの初値形成については、折からの株式市場の下落が大きな逆風となった。上場前日の10月27日は日経平均株価がバブル崩壊後の安値を更新し、10月28日は一時7000円割れとなる場面もあった。上場承認時にあった公開価格の割安感もブックビルディングなどを行っている間の既存市場の下落により後退していた。

 クロス・マーケティングが上場する前日に株式公開した医薬品開発支援のリニカルは売り注文が膨らんで上場初日に売買が成立しない異常事態に陥っていた。結局、初値は公開価格を39%も下回り、今年最低を記録。リニカルの大幅下落は、現在の株式市場参加者のIPO銘柄に対する関心の薄さを如実に示していた。

 クロス・マーケティング株は初値形成後も冴えない展開に終始した。時価はPER(株価収益率)など指標面、需給状況などを考慮すれば非常に割安な水準にある。しかし、それは26年ぶりの安値水準に売り込まれている日本株全般にも言えること。新興市場全般も東証1部上場銘柄次第の不安定な値動きを続けており、クロス・マーケティング株の見直しも全般相場の落ち着きを待ってからとなりそうだ。

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