Second Lifeの現在--新CEOが語る「熱狂の後」 - (page 2)

文:Tim Ferguson(Special to CNET News.com)
翻訳校正:ラテックス・インターナショナル
2008年10月30日 07時30分

 また、公的機関からも関心が寄せられており、学生のミーティングやコラボレーション、コミュニケーションにSecond Lifeを利用する可能性について賛同する大学もあります。

 組織は現在、本当の意味で、Second Lifeのような仮想世界のすべての可能性を見いだし始めています。

--仮想世界で起こっている大きな傾向は何ですか。

Kingdon氏:「そこにいる」だけの状態から、その存在を企業の現実的で戦略的なものにする大きな動きがあります。

 インターネットが登場したとき、多数の企業がウェブサイトを持つ必要性があることに気付きました。しかし、多くの企業がウェブサイトをどのように活用すべきかを真剣に考え始めたのは、それから数年後のことでした。

 Second Lifeのタイムスケールはずっと短いですが、われわれはまだ、Second Lifeがどのくらい大きくなり得るのか、自分の目で見始めたばかりです。大学を例にとると、Second Lifeで講義やセミナーを行えるだけでなく、学生が講師や教授とコミュニケーションを取ることができる完全にインタラクティブで没頭できる環境を作成し、仮想学習ツールを追究できます。

 一方、企業は、顧客だけでなく、スタッフとも距離を縮めるためにSecond Lifeを利用しています。今では、社内ミーティングから製品の展示、試作品の開発まで、あらゆることがSecond Lifeで行われています。ここ数週間では、実際に音響ステージを建設する前に、Second Lifeにセットを作って、シーンやロジスティックスの計画を行っている映画スタジオの話を耳にしています。

 企業は現在、自分たちの創造力を最大限に駆使していますが、このことですばらしいのは、企業自身の想像力や向上心以外に限界は何もないということです。これはSecond Lifeグリッドの大きなメリットであり、Second Lifeグリッドは、ほぼ無限の可能性を秘めた真っ白なキャンバスなのです。

--Second Lifeが直面している課題は何ですか。

Kingdon氏:優秀なスタッフと顧客、およびユーザーを維持し、取り込むこと、基本的価値観に忠実であり続けること、ライバル会社に先を越されないようにすること、事業を維持し、事業に再投資するのに十分な収入を得ることなど、Linden Labが直面している課題はほかの企業と同じです。

 自社はこれらの一般的な要件に支配されていないと考えるのは、間違いです。たとえば、このリストの最後の要件を満たしたことのないオンライン企業は複数あります。

--Second Lifeをはじめとする仮想世界の今後はどのようになると考えていますか。

Kingdon氏:Linden LabとSecond Lifeは仮想世界現象の最先端におり、Second Lifeの革新の大半は住民によって進められています。

 この革新は今後もさらに高まり、かかわり合いが増し、Second Lifeは今後ますます、企業のIT利用やオンラインプレゼンスの戦略的な要素の1つになるでしょう。

 正直なところ、仮想世界に降り立つたびに、住民がSecond Lifeグリッドで行っていることに圧倒されます。これがSecond Lifeモデルの真の力であり、1年後、5年後、あるいは10年後の未来が予想をはるかに超える理由です。しかし、これを知るのはとても楽しいことに違いありません。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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