G1は、GoogleとOpen Handset Allianceが開発したOS「Android」を搭載している。Androidは、他の携帯電話OSと異なり、完全にオープンソースである(全ソースコードが米国時間10月21日に公開された)。この点においてAndroidは、Palm、Windows Mobile、Appleの携帯用OSとも、さらにSymbianとも大きく異なる。G1では、ユーザーと開発者がすべてを手にすることができる。
業界の常識を変えるもう1つの要素として、Android用アプリケーションストアがある。Appleが「iTunes App Store」を厳格に管理しているのに対し、Googleはより干渉をさし控えるアプローチをとっている。開発者はコミュニティー参加の申し込みをしてサービス契約に署名する必要があるが、いったん参加手続きをすれば、コミュニティーの一員として認められる。承認を受ければ、あとは自由にアプリケーションをアップロードできる。その後の役割は、Googleではなく、コミュニティーの仲間に引き継がれる。コミュニティーのメンバーは、不適切と判断したコンテンツにフラグを立てることにより、そのアプリケーションをチェックする必要があることを知らせることができる。フラグを立てられたものについてはGoogleが内容を確認し、悪質なものである場合のみ削除することになっている。なかなかうまい方法だ。
語るべきことはほかにもあるが、とにかくG1が、携帯電話業界の新しいモデルとなるものであることは明らかだ。G1端末は、オープンソースのOSを搭載し、複数の関係者が関与しているため(Amazonがミュージックストアを運営することも忘れてはならない)、Googleであれ、HTCであれ、T-Mobileであれ、1事業者が単独でユーザー体験を支配することはない。確かに、筆者は少々理想化し過ぎているかもしれないし、本当のところユーザー体験がどのようなものになるかは時が経って初めて明らかになることだが、それでもG1は、ユーザーにデバイスの支配権を譲るという点では、これまでの他のどの携帯電話にも勝っている。キャリアは今後も携帯電話の使い方についてある程度の発言権は持ち続けるだろうから、この先携帯電話がコンピュータほど自由なものになるかどうかは疑わしいが、G1は少なくとも希望を与えてくれる。G1がこれほどの注目に値するのも、希望を与えてくれるものだからにほかならない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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