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「S・ジョブズ氏が心臓発作」の誤報が広まった背景 - (page 3)

文:Greg Sandoval(CNET News.com)
翻訳校正:ラテックス・インターナショナル
2008年10月08日 07時30分
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 Blodget氏は電子メールで、「Steve Jobs氏についての報道はCNNが運営するサイトのトップ記事だった。Steve(Jobs氏)やAppleを気に掛ける誰にとっても非常に気になる内容だった。われわれが報道を耳にしたときには、すでに注目されつつあった。このような情報の正否を確認するのにどのくらい時間がかかるのかはわからないが、読者が情報を自分たちで判断したいと思っていることはわかっていた。そこで、報道されている内容を正確に述べ、われわれにはそれが真実かどうかはわからないこと、現在調査中であることを伝えた。20分後、報道は誤りだったことを公表した」と、語っている。

 CNNはこの件について、iReportは比較的新しいが、同社は2006年8月からユーザー生成コンテンツに携わっており、ユーザー生成コンテンツがCNNの検証済み情報であると大手ニュースサイトに誤解されたのは今回が初めてだと述べた。CNNの広報担当者であるJennifer Martin氏は、CNNはiReportを所有し、運営しているが、スローガンに述べられているように、サイトの情報は編集をしておらずフィルターもかけていないことは非常に明確だと述べた。iReportの「About」(このサイトについて)には、「CNNはiReport.comに掲載されているコンテンツおよび記事について一切保証しません」と書かれている。

 確かにそうかもしれないが、iReportにアクセスすると、ユーザーが作成した報道記事とプロがまとめた記事にはほとんど差がないことがわかる。CNNは頻繁にユーザーが作成した記事の一部に対して事実関係の確認を行っている。記事が正確であれば、CNNはテレビ放送やCNNブランドのウェブサイトでそれらを使用する。Martin氏は、これらの検証された報道は、「Now on CNN」というラベルで明確に区別されていると述べた。

今回の騒動の教訓

 この騒動に関して、Silicon Alley InsiderのBlodget氏は、iReportをCNNが所有していたことが、Jobs氏の偽記事に信ぴょう性を与えたと示唆している。しかし、Appleの投資家の中には、SAIの報道記事についても同様だと言う人もいるかもしれない。創設者の元アナリストはかつてウォールストリートの関係者であり、スタッフにはForbesやVarietyなどの雑誌出身のベテラン記者が大勢いた。たとえSAIがiReportの記事は未確認であると目立つように書いていたとしても、SAIがそれを取り上げて、確認中であるという事実は報道に何らかの信ぴょう性を与えたかもしれない。

 定評あるブログが偽情報を報道した理由に関する質問に答えるのは、今回が初めてではない。2007年5月、Engadgetは、「iPhone」の発売が延期されることを示唆するAppleの社内メモと思われるものを受け取った。このメモは偽物で、Engadgetが偽のうわさを報道した後、Appleの時価総額は40億ドル下落した。Engadgetは、SAIと同様、公表前にまずAppleに記事の信ぴょう性を確認していなかった。

 CNNとSAIの両社が前進し、これからも重要で正確な報道を行っていくことに疑いはない。おそらく、CNNはユーザーが作成する報道の表示の仕方を再検討するだろう。ジャーナリスト、市民、プロにとっての教訓は、あと1本電話をかけ、あと1人と話をできるようにゆとりを持つことかもしれない。

 一般の人たちは、われわれ報道機関がいち早く情報を手に入れることよりも、情報を正確に報道することに関心を抱いている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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