CEATEC JAPAN 2008の基調講演で、コンシューマー市場向けの取り組みを強化すると発表したマイクロソフト。Windowsの新たなブランドコンセプトとして「Windows Life Without walls 壁のない世界へ」を掲げた。
壁のない世界の具体策はなにか。日本におけるWindows VistaやWindows Media Centerの現状をどう見ているのか。コンシューマ向けWindowsのグローバルマーケティングを担当する、コーポレートバイスプレジデントのブラッドブルックス氏に話を聞いた。
私は(現在のWindows Media Centerの前身となる)Windows XP Media Center Editoin(MCE)を立ち上げるため、2002年にマイクロソフトに入社し、約6年になります。その後、世界で最初にMCE※を日本に持ってきました。日本におけるテレビ環境は、重要なマーケットになると着目したからです。先端的なテレビの使われ方をしており、デジタルテレビのマーケットが進化しています。
これまで、Windows Media Centerに開発の投資をしてきました。今年6月までの投資が、今回発表したサービスにつながっています。日本のマーケットは、これから日本以外のマーケットでどのような形で展開していくかを図るための試金石になるのです。
デジタルTV、そしてPCとの統合を日本でぜひとも成功させ、ほかのマーケットでも追従していくという形をまず作らないとならないということです。
確かにWindows Media Centerは十分な認知を獲得できていないかもしれません。しかし、いくつかの取り組みで回復できると思っています。たとえばウィンドウズ デジタルライフスタイル コンソーシアム(WDLC)という団体を介して伝えていくということです。
独自に開発をしているメーカーも多くありますが、(地上デジタル放送対応に関して)今までわれわれから提供できる機能がなかったからです。今年の6月以降はわれわれのほうでサポートシステムを開発できたので、今後はPCメーカーあるいはテレビを開発しているメーカーは高価な開発費をかけずに済みます。これからは変わってくるでしょう。
米国でも同様のビジネスフィールドはたくさんあります。しかし、コンテンツは国固有の文化です。そのまま日本に移してうまくいくかどうか、しっかりと検討する必要があります。
それは、日本特有の現象ではありません。米国やほかのマーケットでも現状を変えたくないという人はいます。
しかし、それをいかに破っていくか──。唯一の方法は、マーケティングに必要な資金を投じることだと考えます。オンライン、広告、さまざまなリテールに関する取り組みで訴求していくと。リテールのトレーニングを再構築し、Windows Vistaについての知識をリテールのレベルから立て直す。そういう取り組みが必要です。Windows Vistaを知っていただくと言うことに尽きると思っています。
私がマイクロソフトに入社した理由は、Windowsの人口を増やすことです。Windows XP、Windows Vista、それより前の世代のOSでも、Windowsを使っていただければハッピー。そこはとてもシンプルです。
そして価格だけで買うか買わないかを決めるものではありません。サーチ機能、写真などの編集機能、高品質のグラフィックス。魅力的な機能を搭載されていることなどを店頭で知ってもらい、「そういう機能がほしい」という明確な理由があって買っていただける。われわれマーケティングの仕事は、マイクロソフトの持っているメッセージを多くの人に浸透させていくかなのです。
また、Windows XPとWindows Vistaにはセキュリティ性の違い、DirectX 10など非常に大きな機能の差があります。Windows Vistaでないと手に入らないWindows Media Centerの機能もあります。訴求できるところはあるので、より価値を深く理解してもらうために何ができるかということでしょう。
そのとおりです。
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