Windows VistaにとってXPはライバルか?--マイクロソフト グローバルマーケティング担当Brad Brooks氏 - (page 2)

坂本純子(編集部)2008年10月06日 19時30分

Windows Liveはどう変化していくのか

--Windows LiveにはSkyDrive、メッセンジャー、Windows Liveメール、フォトギャラリーなどサービスが多数あり、OS搭載ツールよりも高機能なものも出ているように思います。その狙いは?

 Windows Vistaよりも機能が高いと思ってもらえたら、われわれの意図した戦略どおりにいっているということです。よりWindows Vistaの使い勝手をよくする。それがライブツールを開発した理由です。

 次世代のWindows Liveを今年リリースしますが、さらに進化させていくことを狙っています。Windows OS+Windows Liveによって、いままで得られなかった機能を使いこなしてもらうことを狙っているのです。

--現状は、ソフトウェア+ウェブサービスという形態です。ローカルPCの能力に依存するところもありますね。

 Windows Vistaは新しいハードウェアの能力を引き出すためにつくられたOSです。グラフィックスやメモリ、マルチプロセッサを搭載したハイエンドなマシンであればあるほど、Windows VistaというOSは開花します。ただ、そのためにPCの買い換えを狙ったということではありません。

--今後もソフトウェア+ウェブサービスという形を続けるのですか。1人1台以上のPCを持つ人が増えているいま、プラットフォームに依存せずにサービスを利用したい人もいるのでは。

 われわれのプラットフォームの投資対象は4つに分けられます。Windows Vistaを中心としたWindows、ブラウザ、Windows Mobile、Windows Liveといったサービスの領域です。

 Windowsプラットフォームにこれらの4つがあり、これらのベスト・イン・クラス──最上級のものを集めることで、次のベスト・イン・クラスを目指せるわけです。それが今回提唱している壁のない世界(Windows Life Without Walls)につながっているのです。

--質問を変えましょう。たとえば、私は複数のPCを持っているので、WindowsメッセンジャーのアプリケーションをそれぞれのPCや携帯電話にインストールして使っています。複数のデバイスにインストールしなくても同じように使える──となれば便利だと思うのですが。

 まさしくそういう環境を目指しています。今の段階では、ソフトウェアとデータを一緒にし、それをPCや別の端末へと自在に動かすことはできません。しかし、われわれがつくろうとしている世界は、あなたが考えているような世界です。1つのPCからデバイスやあなたと一緒に動いてくれる世界をつくろうとしているのです。

 次世代のWindows Mobile、Windows Liveサービス、Windows 7といったもので、それを明確に示していこうとしています。

スマートフォン市場にはチャンスがある

--日本のスマートフォンとしては、まもなく発売されるHTCのTouch Diamond(Windows Mobile搭載)が注目されています。一方で、HTCはWindowsモバイルだけでなく、Googleの「Android」OSを搭載するスマートフォンも出しますね。Windows MobileにとってAndroidはどういう存在でしょう。

 確かに競争が激しい分野です。しかし、ソフトウェア、デバイスメーカー、ネットワークの通信事業者がさらに参入している現状は、お客様にとっては選択が広がっているということでしょう。

 ソフトウェアの開発コストも下がり、いろいろな携帯端末が登場するということは、オペレータ側にもチャンスが生まれているわけで、競争としてはおもしろい市場になっていると思います。

--競争としてはおもしろい──言葉に余裕を感じますね。

 チャンスだと思っています。

--「壁のない世界」の施策の1つとして携帯デバイスとPCとの連携がありますが、今後の展開についてお聞かせください。

 これから数カ月のうちに、さらにエンド・ツー・エンドの体験ができることをご案内すると思います。今の取り組みは、長い旅の第1ステップです。さらにデバイスとソフトウェアを進化させていくことになります。

 直近としては、新しいサービスWindows Liveが来年に出ますし、Windows 7のプリベータバージョンを今月末に出す予定です。いま申し上げている「壁がなくなる」ということが、今後、もっと形をもって登場してくると思います。さらなる新サービスやPCとサービスの融合が生まれてくるでしょう。

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