しかし有名なタバコのデザインをそのまま利用しているということでクレームはこないのだろうか?そのために筆者はまずは本物の「中華」タバコを買ってきた。なんと中国でも1箱約500円もする。100円程度の安タバコとは違うだけに、こんなものがフツーに売られていたらおそらくクレームものだろう。
しかしメーカーもそのあたりはきちんと考えているようで、「本物の中華タバコとはデザインが違います。だから問題ないのね」とカラー印刷した説明書きをわざわざ同封している。
それによると中華の「華」の字のデザインが異なるとのこと。またタバコの名称の英文表記も本物が「CHUNGHWA」、タバコケータイが「CHONGHWA」と異なっている。だから大丈夫というのがメーカーの説明だが、誰が見てもこの両者は同じデザインで、タバコメーカーが販促としてオリジナルケータイを出してきたと勘違いするだろう。そうそう、本体上部の中華の「華」の字は両者同一で、そこまで手が回らなかったあたりはまさしく苦笑するしかないだろう。
この怪しいながらもなんだか楽しそうなタバコ型ケータイ、この写真を見て「欲しい」と思う人は少なからずいるんじゃないだろうか?日本でもタバコメーカーが自社ブランドのタバコの柄を付けて、キャンペーンなどでこのタバコ型ケータイをプレゼントすればおもしろいはずだ。
しかし日本は「ケータイキャリア」がケータイを販売する。メーカーが直接販売する例はごくわずかしかない。このケータイが3Gに対応して日本で使えたとしても、メーカーがキャリアに持っていったらどうなるだろう?「こんなケータイ、誰も買いませんよ」「iモードが使えないケータイなんて売らない」のように門前払いを食らってしまうだろう。
メーカーがおもしろいと思って開発しても、キャリアが首を縦に振らなければ販売できない、これが日本の常識だ。しかし海外ではそれが非常識となる。タバコ型ケータイのようなユニークな、いや脱力してしまうようなケータイですら海外ではメーカーが直接消費者に販売することが可能なのだ。そしてこうして筆者のように、ついついネタで買ってしまう客も実際にいるわけである。
日本では新規ケータイ加入者の伸び悩みが深刻化しているが、こんな変なケータイがあれば「メインはキャリアの販売する高機能ケータイ、お遊びでタバコ型ケータイ」のように1人複数回線を所有するようになると思うのだが……。
でも実は、最近の中国ケータイも機能はかなり向上しており、日本メーカーもうかうかしていられないような製品も出てきている。次回はそんな「最新中国多機能ケータイ」の実情を紹介しようと思う。もちろん中国ケータイだけに日本の常識では考えられないような機能が満載で、これまた驚きの連続なのだ。
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