CNET Japan読者の皆さんはじめまして。香港在住の携帯電話研究家、山根康宏です。海外の携帯電話市場を追いかけ続けること早や数年。
普段の生活も事務所の行き来の途中でケータイショップに寄ってみたり、展示会取材で海外に行けばやっぱり現地のケータイショップをのぞいてみたり、「3度のメシより携帯電話」。24時間365日、海外ケータイのことばっかり考えているのが日課だったりするわけである。
こんな毎日を続けていると毎週のようにケータイを買ってしまうわけで、手元に集まった海外ケータイの数も気が付けば500台をオーバー。さすがに自宅には置けないので知人の事務所に場所を借りて収納展示させてもらっているものの、土地が狭く家賃の高い香港ではコレクションの置き場所が常に悩みの種である。
さてついつい買ってしまう海外ケータイの中でも、筆者の私が最近注目しているのが中国のケータイ。中国のケータイと聞いて「モノクロ画面に低機能」なんて侮ってはいないだろうか?そんな次元の製品はもう中国でも作られてはいないのだ。それに機能が高いか低かといったレベルの話は実はどうでもよかったりする。まずは何はともあれ、こちらの写真を見てほしい。
この写真に写っているもの、実は全部がケータイなのである!中国や台湾で発売されたユニークなデザインのケータイを集めてみたら、こ〜んな写真ができ上がったというわけ。奥に見える普通の電話機も立派なケータイだったりするから恐ろしい。
こんなものが売られていても、これらがケータイと気がつかない客が多いような気もしてしまうのだが……まぁ、このように一見してケータイとは思えないようなデザイン・形状が最近急激に増えているのが中国ケータイのおもしろさなのである。
さて、中国のケータイと言っても、メーカーの数は大手で10社くらいだ。中規模を入れると20-30社。しかし、マイナーメーカーを加えると50、100、200とか言われるほどその数は膨大だ。メーカー名のないケータイが売られてることさえあったりする(大丈夫なんでしょうか?)。但しこれらをすべて一括りにまとめて「中国ケータイ」と呼ぶのはちょっと語弊がある。
たとえば端末だけではなくインフラ事業なども行っている総合通信機器メーカー、ファーウェイ(Huawei、華為)やZTE(中興)は世界中の通信キャリアに端末をOEM供給しており、中国というより「世界のメーカー」にまで成長している。日本でもイー・モバイルや日本通信からHSDPA対応のUSBモデムや携帯端末が発売されており、両社の名前を知っている人も結構いるんじゃないだろうか?これらの一流メーカーの製品は「中国ケータイ」と呼ぶよりも、大手メジャーメーカーと比較するべき製品だろう。
一方、おもしろいもの、ヘンなものを出してくるのは圧倒的にマイナーメーカーだ。機能で勝負できないので「見た目勝負」となるのだろう。しかし、大手メーカーもたまに変わった端末を出してくるから気が抜けない。本気で作ったのか冗談で作ったのかわからないような謎ケータイが多いのも、中国ケータイにハマってしまう理由である。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス