ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)「mixi」を提供するミクシィが8月5日の取引終了後、2009年3月期中間業績計画の上方修正を発表した。これをきかっけに株式市場ではネット系企業の業績面に安心感が広がっている。
ミクシィの中間期業績は、経常利益が従来予想の14億円から17億円(前年同期比6.6%減)へ増額修正された。
この増額修正を受けた8月5日の株式市場ではミクシィ株が続伸。ただ上げ幅は限定的で、5日の株式市場で目立ったのは、買い安心感の高まりで値幅制限いっぱいまで買われた楽天など、ほかのネット系主力銘柄だった。
ミクシィの中間期計画の増額修正はデータセンター費用の削減と新サービスへの投資が後ズレしたことが要因となっている。主力の広告事業ではモバイルのページビュー(PV)が順調に拡大しているものの、PCでのPV減退が継続。新サービスの相次ぐ投入で展開に力を入れている課金ビジネスも今期は投資の時期。音楽サービスが鈍い立ち上がりとなるなど、今回の4〜6月では具体的な成果が確認できなかった。
株式市場はミクシィの今期の通期計画を保守的とみており、今回の4〜6月決算では通期計画の増額修正に向けた手応えを確認したかったようだ。中間期のみながら期待された増額修正は行われたが、その中身は期待外れとなったようだ。
アナリストの決算への評価は「業績のボトムを確認する必要がある」(日興シティ証券)といった意見が多い。新サービスについても「有料コンテンツへの過度な期待は時期尚早」(野村証券)と評価は今ひとつとなっている。株価の見直しには、第2四半期以降のPCでのPV回復と新サービスの立ち上がりを確認する必要がありそうだ。
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