近藤氏は子会社設立をこのタイミングに決めたきっかけとして、2007年の夏に独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)が主催したシリコンバレーツアーに参加したことを挙げる。
「シリコンバレーという場所がITビジネスを世界展開するのに非常にいい環境だった。まわりに成功者も多いので、アイデアを真剣に相談できる。また新しいビジネスを生むためのネットワークもある。弁護士1人をとっても日本と人脈の幅が違うと感じた。行くなら今しかないと思った」と近藤氏は語る。「同時に勘違いしてはいけないのが、われわれは『ビジネスをしに行く』ということ。『シリコンバレーに会社を興す』ということがゴールではないし、そういう人は成功しない」(近藤氏)
子会社は当面、JETROが日本のベンチャー企業向けに提供するインキュベーションオフィスに入居する。同オフィスは、2年間無料で利用可能となっているが、「1年以内にはここを出て別途オフィスを借りたい」(近藤氏)とした。
米国法人は同社の米国向けマーケティングやLunascapeのローカライズの拠点にするだけでなく、研究開発の拠点にしていく予定だ。ビザの手続きが終わり次第、近藤氏と同社の開発者数名が米国に行き、まずはGekkoエンジンの最新版であるGekko 1.9対応のLunascapeを提供する。そのほか、現在対応している日本語や英語のほか、中国語やスペイン語など多言語化を進める。
同社のビジネスは企業向けのブラウザのOEM提供やポータルサイト「Luna.TV」での広告配信など。これらの一部については、すでに米国企業とも業務提携を進めているという。今後はiPhone関連のソフトウェアの研究開発も予定する。
また、Lunascape 4からユーザーに開放したプラグインの制作についても強化していく。年内をめどに、新たな開発フレームワークを用意する考えだ。
インプレスR&Dが発行する「インターネット白書2008」によれば、Lunascapeの国内シェアは約1%。今後はインターネット初心者から中級者をメインターゲットとして、2〜3年以内での世界シェア1%獲得を目指す。
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