シニアテクニカルエバンジェリストのJason Suess氏は当時の心情を振り返り、「本当に成功できるのか。ユーザーのマシンが一度に4つの接続を維持できるのだろうか」と語っている。
先々週のMicrosoft本社でのインタビューでSuess氏は、解決の鍵は、コンピュータの接続、処理能力によって、ビデオストリームのビットレートをカスタマイズできる機能をプレーヤーに組み込むアダプティブストリーミングと呼ばれる手法を使用することだと述べた。
バレンタインデーまでに彼らはテストの準備を整えた。NBCはすでに機材を北京に配送する準備を整えていたため、テストの成功は重要だった。
Suess氏は、「プレーヤーが動作したのはそのときが初めてで、明らかに、まだまだ荒削りだった」と述べている。
成功への最後の鍵の1つは広告だった。当初、NBCとMicrosoftは、ライブストリームにフルスクリーンのビデオ広告を挿入できればと考えていたが、それは非常に困難な作業だ。
「ライブストリームを一時停止する方法はない。ライブストリームに加えてビデオ広告を配信しようとすると、ユーザーの帯域幅の限界を超えてしまう」(Suess氏)
4月中旬の時点で、彼らはまだ何をすべきか悩んでおり、ビデオストリームのそばにコンパニオン広告を配置するしかないと考えるようになっていた。しかし、彼らはアイデアを思い付いた。ライブストリームにフルスクリーンのビデオ広告を挿入する代わりに、動作の空き時間を中心に、ディスプレイ広告をビデオに重ねるというものだ。
最終的に取り入れられたこの方法では、複数の問題を解消できた。ビデオ広告ほど帯域幅を必要としないが、生中継を中断せずに、広告を直接視聴者に見せることができた。広告の量はさまざまだと、Suess氏は言う。「試合で何が起こっているかによる。私たちは空きスペースを待つだけだ」
5月初めまでに、NBCは、録画されているさまざまなオリンピックの映像を使って、基本的なプレーヤーをインターネットに公開し、6月初めまでには、機能強化されたSilverlightプレーヤーを公開した。6月末に行われたOlympic Trialsでは、企業や一般の人たちがプレーヤーを試すことができた。
現在では、優先順位を決めて、数少ない残りの既知のバグに取り組んでいるが、このような終わりに近づいてからの変更が正当かどうかの判断基準は日々高まっている。Suess氏は、当面の間、1日18時間働けるよう、妻と子供をニューヨークの実家に送り届けた。
先々週のインタビューで、Suess氏は、夜、午前1時近くまで働き、北京にいる同僚が帰宅する前に話ができるよう、毎朝8時には仕事を始めていると述べた。
「ネットワークに接続せずに物事を進めると、進行を遅らせることになる」(Suess氏)
自ら認めるA型人間のSuess氏は、整理整頓にうるさい。いつも机がきれいに整頓されているようなタイプだ。(妻ならおそらく「中毒」という言葉を使うだろうと、Suess氏は語っている)
Suess氏は、実際に試合、特に大ファンであるセーリングを見られるよう、物事を十分な管理下に置きたいと考えていると述べた。「本当にそう願っている。わたしがこのプロジェクトに携わったのも、それが理由の1つだった」
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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