米Yahooによる2007年の総額3億5000万ドルに上るZimbra買収の初の成果が米国時間7月24日の「Yahoo! Zimbra Desktop」で明らかになろうとしている。Yahoo! Zimbra Desktopは無料でダウンロード可能な電子メールソフトウェアで、オフライン時にも利用できる。また、オンライン上で利用可能な基本的なワープロ、表計算、タスク管理、ファイル管理などの機能も備えている。
YahooとGoogleは、オフラインでも利用可能な電子メールサービスの提供で競っているが、Zimbra Desktopのリリースは、YahooがGoogleに打ち勝ったことを意味する。しかし、Zimbra DesktopのアプローチはGoogleとは異なる。Googleは、オープンソースのブラウザ機能拡張プラグイン「Gears」プロジェクトを通じて、オフラインアクセスの追加を目指している。
Zimbra Desktopは、ブラウザインターフェース技術のAjaxを使用しているものの、実際は独立型アプリケーションとして機能する。また、データをローカルに保存するためにJavaソフトウェアを利用している。ダウンロードサイズはWindows用が38Mバイト、Mac OS X用が34Mバイト、Linux用が44Mバイトとなっている。
Yahooは、クラウドコンピューティングに重点的に取り組む新グループを創設した。クラウドコンピューティングでは、ローカルアプリケーションの代わりに、インターネット上でさまざまなサービスが利用可能だ。しかし、信頼性のある高速インターネット接続がどこでも利用可能になるまで、アプリケーションへのオフラインアクセスは重要な機能だ。
ウェブメールは、クラウドコンピューティングの魅力的な部分であり、人々はどのコンピュータやモバイル端末からでも電子メールを利用できる。しかし、ユーザーの視点から見ると、ブラウザ内で機能しないダウンロード可能なアプリケーションというZimbra Desktopのアプローチは、ウェブメールというよりも、Microsoft OutlookやMozilla Thunderbirdといった従来のメールクライアントに近い印象だ。
ZimbraのMike Morse氏は24日のブログ投稿の中で次のように述べている。「われわれは、Ajaxベースのウェブクライアントと従来のデスクトップアプリケーションの境界線をあいまいにしようと努力してきた。今回のリリースは、その目標の実現に向けた大きな一歩だ」
Yahoo! Zimbra Desktopは日本語を含む14の言語に対応している。インストール時、または起動後の言語設定で日本語を選ぶと日本語インタフェースで利用できる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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