News Corp.のCOO「オンライン広告収入を大幅に伸ばすチャンスはある」

文:Stefanie Olsen(CNET News.com) 翻訳校正:大熊あつ子、長谷睦2008年07月24日 12時47分

 カリフォルニア州ハーフムーンベイ発--インターネットパブリッシャーがオンライン広告から大きな利益を得るには、テレビ事業のように、多少なりとも需要過多の状況を作り出す必要がある。

 これがNews Corp.の最高業務責任者(COO)、Peter Chernin氏の現在の考えだ。Chernin氏は「FORTUNE Brainstorm: TECH」カンファレンスで、インターネット上にはあまりにも広告枠が多すぎるため、これでは高い広告レートで販売できないと指摘した。

 Chernin氏は、テクノロジおよびメディア界の幹部を集め、3日間にわたって当地で開催された今回のカンファレンスで「われわれは希少性を持つカテゴリを作り出さなければならない。最近で言えば、それにあたるカテゴリはビデオだ」と発言した。より具体的には、有料のオンラインビデオが高い広告レートを取れるようになるという。

 Chernin氏によると、News Corp.が2007年、米国におけるトップビデオサイトの1つである「MySpace TV」や、テレビ番組および話題の映画を紹介するポータルサイト「Hulu」に重点的に投資してきたのも、それが理由だという。News Corp.はさらに、ウェブ限定の動画番組を約10本、オンラインで公開する企画にも取り組んでいる。また、ビデオ分野の次には「MySpace Music」も控えていると、Chernin氏は話している。

 「これはまだ、プレーボールの声がかかってから最初の投球だ」とChernin氏は述べた。

 Chernin氏の発言の裏には、広告事業に対する懸念から、メディア大手の多くがウォール街で嫌気されている状況がある。たとえばTime Warnerの株価は、その広告収入の見通しに対する懸念が影響して、この1年で13%も値を下げた。

 Chernin氏の考えでは、デジタル時代において、競合他社の重要度は下がっているとのことだ。自分自身の最大の敵はNews Corp.そのものだと同氏は述べ、「われわれは無限の可能性に挑んでいるところだ」と語った。

 ではChernin氏は、オンラインビデオ以外で、事業はどこに向かうと考えているのだろうか。モバイル事業には大きな成長の可能性があるいうのが、同氏の見解だ。人々は、2時間ものの映画ではなく、携帯端末上で楽しめるコンテンツをさらに求めるようになる。コンテンツクリエーターは、ビデオゲーム業界とともに発展してきたような、新しいジャンルのコンテンツを制作する機会を手にしていると、Chernin氏は述べた。

 また、Chernin氏によると、News Corp.はかなりの勢いで国際展開を進めているという。たとえば、MySpaceはこの1年で、各地域版サイトを30〜40増やしてきたと、同氏は説明する。また、同時期にラテンアメリカの広告ネットワークも買収している。News Corp.はNBC Universalと連携してHuluを国際展開する計画もあるが、コンテンツのライセンス問題に対応する必要があるため、進捗は遅れている。

 「メディア事業は、人々が考えているよりはるかに良い位置につけていると思う」と、Chernin氏は述べた。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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