NTTドコモは7月17日、「あんしん」「しんせつ」「かんたん」「見やすい」をコンセプトにした「らくらくホン」シリーズの新機種として、健康管理ができる「らくらくホンV」を発表した。8月発売予定で、割賦販売による実質価格は従来モデル「らくらくホンIV」とほぼ同じ4万円前後となる。
らくらくホンは2008年6月末現在で累計1316万台を販売している人気シリーズ。らくらくホンユーザーからコールセンターに寄せられている要望として、屋外でも見やすいもの、どんな場所でも声が聞き取りやすいものというほかに、健康チェックができる機能を付けてほしいというものがあったという。すでに歩数計を搭載したモデルを発売していたが、さらに脈拍計を搭載したほか、健康機器メーカーであるタニタの体組成計や血圧計と連携できるようにした。
また、健康管理アプリ「健康生活日記」を新搭載。歩数、脈拍、連携機器で測定した体重などをグラフ表示できる。脈拍は内側のカメラに人差し指の第一関節付近を当てることで、血流を測定。歩数計は今までの2軸センサーから3軸センサーにしたことで、どんな姿勢でも正確な歩数を測定できるようにしたとのことだ。タニタの体組成計で測定した体重や体脂肪は赤外線を使って携帯電話に取り込み可能。測定データは「健康生活日記」で管理できるほか、タニタの有料会員サイト「TANITAからだカルテ」に登録すると、健康個別指導も受けられる。
屋外でも見やすくという要望には、画面サイズを従来の2.6インチから2.8インチに拡大することで対応。受信メールで40ドット文字を採用するとともに、行間を2ドットから5ドットに拡大したほか、輝度を約30%アップさせて見やすさに配慮した。声を聞き取りやすくする機能としては「スーパーはっきりボイス2」「スーパーダブルマイク」を搭載。スーパーはっきりボイスは周波数ごとに細かく音量を調整し、高音部を過剰に強調しない設定としたことで、より自然な聞こえ方を実現した。スーパーダブルマイクは雑音をカットする機能で、相手に自分の声をはっきりと伝えられる。
このほか、ヒンジ部のボタンを押すだけで簡単に端末を開ける「オープンアシスト」機能や、ケータイのマイクに向かってしゃべるだけで声を文字に変換してメールが作成できる「音声入力メール」機能、画像を選ぶだけで自動的に本文の先頭にデコメピクチャを配置可能な「かんたんデコメール」機能、本体を持ち上げて傾けると自動的に背面液晶のバックライトが点灯する「おまかせバックライト」機能を備えた。さらに、視覚障害者が利用しやすいよう、日本点字図書館提供の録音図書(DAISY)コンテンツに対応している。
ドコモでは携帯電話を活用した健康支援サービスに関して、オムロンとプラットフォームの開発で提携している。ただし、今回のらくらくホンVは対応していないとのことで、将来的にはこのプラットフォームにもつながるようにしたいとした。ほかの健康機器との連携についても、iアプリで対応できるものについては積極的に進めていくとのこと。海外展開については、富士通との協力が必要だとした上で、「世界的に見てもこれほどユーザーの使いやすさを追求したケータイはほかにないので、開発ノウハウの提供からでも展開していきたい」(NTTドコモ執行役員プロダクト部長の永田清人氏)とした。
携帯電話ではiPhoneのタッチパネルを使った操作性が話題になっている。これについて永田氏は、「マニュアルがなくても使えるほどユーザーの使いやすさを追求している点では同じかもしれないが、見やすさや聞きやすさといった、電話の根本に関する機能について追求している端末は、らくらくホンのほかにはない」と話した。
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