YahooとGoogleが検索広告分野で結んだ提携が独占禁止法違反に当たる可能性について、米国の州検事総長らが調査に乗り出していることが、複数の州の証言で明らかになった。
フロリダ州検事総長の広報担当、Sandi Copes氏によると、各州は互いに連絡を取り合い、両社の提携案の調査に取り組んでいるが、この問題のリード役に名乗りを上げている州は今のところないという。
現在、フロリダ、アーカンソー、コネティカットの州検事総長が両社の提携案を調査しているが、調査プロセスの進捗状況はまちまちだ。
アーカンソー州検事総長事務局の広報担当は、現在「検討中」としており、コネティカット州はすでに調査を開始していることを認めている。
コネティカット州検事総長のRichard Blumenthal氏は、「多くの召喚状を発し、他州とも連携している」と語る。
上記の3州は、調査プロセスに関与している検事総長の人数は明らかにしていないが、Washington Post紙の記事によると、10人超の州検事総長が調査に乗り出しているという。
しかし、たとえ調査プロセスに各州が関与しても、特に驚くに値しないかもしれない。というのも、米司法省はすでに正式に調査に乗り出しており、また、ある議会委員会が米国時間7月15日にYahoo、Google間の提携案に関する公聴会の開催を予定しているからだ。
しかし、各州の関与は重要な意味を持つ。というのは、それにより独占禁止問題に新たな視点や意見が追加されるからだ。その結果、この問題は司法省や議会が追及している領域を超える大問題に発展する可能性もある。
また、各州の取り組みに関与する情報筋によると、調査プロセスに複数の州が関与する場合には、司法省など他の機関と連携する場合に比べて、州の間でより大規模な調整が必要になるため、多くの困難も伴うという。
GoogleとYahooは6月、検索広告事業での包括的提携を発表した。Googleは、この提携に基づきYahooに検索広告を供給する。これによりYahooの検索関連の売り上げは増加するが、一方、同市場におけるGoogleの力が増す可能性もある。独占禁止当局が懸念しているのはその点だ。
この件についてYahooとGoogleの両社にコメントを求めたが、即座に回答は得られなかった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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