シャープは、環境への取り組みをまとめた「シャープ環境・社会報告書2008」を発行した。それを受け7月1日、企業ビジョン「2010年 地球温暖化負荷ゼロ企業」の実現向け、現在の取り組みを語った。
同社では2004年に「地球温暖化負荷ゼロ企業」という企業ビジョンを掲げ、それに向けて取り組んでいる。2007年3月期の段階で、温室効果ガス排出量176万トンに対し、CO2削減量は137万トンと、現時点で排出量が削減量を39万トンほど上回っている。環境安全本部長の森本弘氏は「排出量と削減量の差をうめて、削減量を大きくしていきたい」と今後の意気込みを語った。
そのほか、家庭内の電力消費量のうち、約4割を占めるといわれるエアコンと冷蔵庫は、9年前となる1999年当時の製品と比べ、エアコンでマイナス27%、冷蔵庫でマイナス74%の年間消費電力量の削減に成功。
また、液晶テレビでは2000年当時の製品「32C-HE1」(271kWh/年)に比べ、2008年に発売された「LC-32GH5」(113kWh/年)は、年間消費電力量を半分以下にまで抑えた。「2007年8月には、50型で厚さ20から29mm、年間消費電力量140kWhと、現行機に比べ約半分となる消費電力量で稼動する液晶テレビの試作品を発表している。液晶テレビの省エネ化はさらなる準備も整っている」(森本氏)と意欲を見せる。
こうした取り組みを背景に、同社が環境先進企業の実現を目指し取り組んでいるのが「スーパーグリーン戦略」だ。テクノロジ、プロダクト/デバイス、ファクトリー、リサイクル、マネジメントの5分野で、環境負荷低減に取り組んでいる。
中でも工場の環境性能を評価する「スーパーグリーンファクトリー」(SGF)では、2008年3月期までに、全10工場をSGF化するという中期目標を達成。2008年度からは、温室効果ガスと廃棄物の総排出量削減を目指す「SGF II」を展開していくという。
一方、新たな環境への取り組みとして液晶テレビ「AQUOS R」シリーズに「グリーン・エネルギー・マーク」を採用。これは、AQUOS Rシリーズ組み立ての際に必要な電力の一部を太陽光発電システムでまかなっている製品に対してつけられるもので、家電製品ではAQUOSが初となる。
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