ディー・エヌ・エー(DeNA)は4月30日、2007年度第4四半期、及び2007年度通期の決算を発表した。第4四半期の売上高は93億5000万円(前年同期比83%増)、営業利益39億9700万円(同172%増)であり、通期では売上高・営業利益共に前年比2倍となるなど、同社の好調ぶりを示す結果となった。
第4四半期の売上高は、「モバゲータウン」を中心としたモバイル事業が好調で、前年比では高い伸びを示しているものの、前四半期と比べると売上高12%、営業利益2%の微増となっている。
これはオフィス移転に伴い3億5000万の費用を計上したことによるもので、それらを除くと前四半期と同じ水準になるという。
同社の主力サービスとなっているモバゲータウンは、検索やニュース、有名人コーナーなどを充実させることで携帯電話ポータル戦略を進めているほか、プロモーションも従来の無料ゲームから、携帯電話ポータルであることを訴求するものへと変更した。
それによって売上高も51億6200億円に伸び、「春休み効果があった」(DeNA代表取締役社長 南場智子氏)ことから、月間ページビューも179億に達した。会員数も順調に推移しており、4月には1000万会員を突破しているほか、売り上げへの貢献はそれほど大きくないものの、モバゲータウンから小説やCDが商品化されるなど、新たな動きも見られるようになったという。
2007年度通期の業績では、売上高297億3600万円、経常利益128億2000万円と、3年連続で前年比2倍以上の成長を達成しているほか、東証マザーズから東証一部への上場変更も果たした。大きな成長を続けている要因としては、やはりモバゲータウンの好調ぶりと、同サイトを中心としてモバイル事業全体がシナジー効果を発揮し、好調さを維持していることなどが挙げられている。
2008年度はモバゲータウンを携帯電話ポータルナンバー1とするべく、先に発表した「モバカジノ」「ゲームポータル」をはじめとしたゲームの分野、さらに広告やモバイルEC関連ビジネスの強化を行うほか、サイト健全化に対しても継続的な取り組みを行うという。
ほかにも新規事業や海外事業への積極投資、社員教育をはじめとした組織体制の強化を行うことで成長を進め、通期では売上高420億円、経常利益176億円を達成すると予想している。
懸案とされている携帯電話サイトへのフィルタリングに対する影響については、2008年度の業績予想には含めずに計画している。その理由として南場氏は、総務省が4月25日、携帯電話事業者に対して「インターネット上の違法・有害情報への対応に関する検討会」の「中間とりまとめ」をふまえた対応をする要請を行ったことを挙げている。
この要請によって、既存契約者に対するフィルタリングサービス適用時には、モバイルコンテンツ審査・運用監視機構(EMA)などの第三者審査機関が提供するリストが反映される可能性が高まったためだ。
そこで今後は、引き続きサイトパトロール監視体制の強化に積極的に取り組むなどして、サイトの健全性を強化するための施策を進め、第三者機関からの認定を取得することを目標としているという。
すでに東京カスタマーセンターは300人体制となっているほか、新潟カスタマーセンターの開設も前倒しで体制を整えており、年度内には450名による監視体制を構築するという。今後もサイト規模の拡大に応じて体制を強化していくものの、単に頭数を揃えるのではなく、効率化を進めながら健全化を維持していくという。
モバゲータウンの会員のうち、18歳未満のユーザーが占める割合は27%である。しかしモバゲータウンの売り上げ構成のうち、未成年が占めているのは成果報酬型広告収入の30%、アバター販売収入の16%であり、現在でも重要な存在となっている。
そのため、南場氏は「ユーザーに安心して使ってもらえる状態を維持、強化していくことに対して、全力を尽くしていきたい」と話している。
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