キーボードのピッチは17mm、キーストロークは2.5mmであり、本体のサイズの割にはゆったりとした配置だ。実際に試してみると、快適にタイピングが行えることがわかる。ポインティングデバイスとしては、スティック型ポインタを搭載。スティックを押すことによるクリック操作も可能で、操作性はなかなか優秀だった。
インターフェースとしては、SDメモリーカードスロットとコンパクトフラッシュカードスロット、USBポートがふたつと、LAN用のポートが用意されている。ただし、このコンパクトフラッシュカードスロットはメモリーカードのみ対応で、USBポートも接続できる機器は制限されている。通信カードを挿入して機能を追加するような使い方はできず、あくまで、自宅のサーバPCとのデータやりとり用という位置づけで割り切られている。
バッテリは2セルでかなり小型だが、最大約4.6時間の連続駆動が可能である。これは、無線LAN機能を利用してリモートスクリーン接続を行った場合の駆動時間であり、実際の使用状況においても、ほぼ同じくらいもつと考えてよい。
付属のACアダプタもコンパクトで、携帯性は優秀だ。かさばるケーブルを外し、付属のウォールマウントプラグを装着して、壁のコンセントにACアダプタをそのまま取り付けることができるようになる。
また、サーバとして利用されるVALUESTAR G タイプR Luiモデルは、「リモートパワーオン機能」で、スリープまたは休止状態に入っている場合でも、PCリモーターからの接続リクエストがあれば、自動的に起動し、接続が行える(シャットダウン状態からは不可)。常にサーバーを稼働させておかなくてもすむので、電気代も節約できるだろう。ちなみに、外部から接続しているときはディスプレイに操作中の画面が表示されることもないので、誰もいない部屋で画面だけが光るようなことはない。
今回このレビューで紹介したLui RNとVALUESTAR G タイプR Luiモデルの組み合わせは、携帯性が高く、無線LANで接続可能なシンクライアントという、これまでありそうでなかった環境を実現している。サーバーと接続して使う製品であるため、無線LAN環境あるいは有線LAN環境がない場所では利用できないが、たとえば、マクドナルドの店舗の大部分では、「BBモバイルポイント」と呼ばれる公衆無線LANサービスのアクセスポイントが導入されているので、ハンバーガーを片手に、自宅のサーバーのメンテナンスを行ったりすることができる。
このパワーユーザーほど便利に使えるこのシステムを見逃してしまうのはもったいない。たとえば自宅のサーバーで時間のかかる動画のエンコードをスタートさせておき、会社からエンコードが終わったかどうかを確認。終わっていたら別のファイルのエンコードをまた開始する……といったリモート操作もできる。ほかにも、ユーザーのアイデア次第で、Luiの可能性はさらに広がっていくだろう。モバイルコンピューティングに新たなユーザー体験をもたらせてくれる製品としてオススメしたい。
<今回レビューに使用した商品> |
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