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「悪魔のような施策」「最も公平な手段」--ドコモメニューリストの入札制をめぐる思惑 - (page 2)

永井美智子(編集部)2008年06月18日 08時00分
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「モバイルサイトの広告手段が限られている」

 ナップスタージャパンなどいくつかのモバイルサービスプロバイダーの役員も務めている前田氏の目には、モバイルサイト運営者が自社サイトの会員を増やしたいと考えたとき、プロモーションの手段が限られていると映る。

NTTドコモ ネットサービス企画担当部長の前田義晃氏 NTTドコモ ネットサービス企画担当部長の前田義晃氏

 「ポータルサイトへのバナー広告、アフィリエイト広告、検索連動型広告くらいしかなく、有効なところにきちんと費用をかけて広告を出したいというニーズは強い」(前田氏)

 最近では、サイト利用者が広告をクリックして入会すると、元のサイトのポイントがもらえるというポイントバック型の広告が増えている。しかしこういった広告の場合、利用者はポイントを得るとすぐに解約してしまう場合もあり、広告効果が高いとも言い切れないようだ。

 こういった状況に対し、解を提供したいと前田氏は言う。「コンテンツプロバイダーと市場を活性化していきたい。そのためにも、コンテンツプロバイダーが顧客にリーチできる場を作るのはわれわれの責務だと考えている」(前田氏)

「順位上げ広告」を売る広告代理店に打撃

 もっとも、コンテンツプロバイダーの中には今回の施策に反対する声もある。コンテンツプロバイダーによる任意団体「モバイル・コンテンツ・フォーラム」(MCF)は6月9日、以下の3点を懸念するとの声明を発表した。

  • 利用者への周知とコンテンツプロバイダへの説明が十分なされていない。
  • 利用者のメニューリストへの不信とブランド価値の低下が考えられる。
  • コンテンツプロバイダの事業モデルに大きな影響を与える可能性がある上、施策の目的であるコンテンツの活性化という効果に疑問がある。

 これを受け、ドコモは6月10日に入札制の導入を正式にプレスリリースとして公開している。

 また、コンテンツプロバイダへの説明については、「もっとも影響があるのは、いままでランキング上位に載っていたコンテンツプロバイダーだと理解している。われわれは事前に意見を聞き、もちろん否定的な反応もあった。ただ、新たな機会を創出するという理念には理解をいただいており、これまでランキング上位に出られなかった企業からは好意的な反応ももらっている」(前田氏)とした。

 利用者への影響については、プレミアムメニューよりも下の第3階層と呼ばれる、各ジャンルのサイト一覧ページで、引き続き利用者によるランキングを掲載するとして、「どこが人気のサイトなのかが分からなくなるというわけではない」(前田氏)と説明する。

 「ネガティブ要素はあまりない」と前田氏は見る。「すでに多くの会員を抱えている企業の場合、利用者の多くはブックマークかマイメニューからアクセスする。新規顧客にどう見られるかという話だ」(前田氏)

 冒頭の大手モバイルコンテンツプロバイダ幹部は「(カテゴリ内での)談合も辞さない」と強い反発を見せたが、前田氏は「上位企業が談合すれば、逆に下位企業にとってはチャンスになる」と意に介さない。

 逆に、新しい広告メニューができることに歓迎するモバイルコンテンツプロバイダーがいるのも事実だ。ある業界関係者は、「auの場合、EZwebのトップページにはauと提携しているコンテンツプロバイダーが前面に登場している。また、ソフトバンクモバイルのYahoo!ケータイではYahoo! JAPANのコンテンツが中心だ。ドコモの新しい施策でより多くのコンテンツプロバイダーに門戸が開かれるのであれば歓迎する」と話す。

 影響はむしろ、モバイル広告代理店に出ているようだ。別のモバイルサイト運営者は、「この春から、ランキング上げを目的とした広告の出稿が止まった」と話す。プレミアムメニューの入札に広告費を回したほうがいいと、コンテンツプロバイダーが判断した模様だ。

 この点については、前田氏も「広告の競争は激しくなるだろう」と認める。「ただ、入札はある意味もっとも公平な手段。この広告枠の優先度をどう判断するかはコンテンツプロバイダーによる」(前田氏)

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