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「NetFront」のACCESS、Q1決算は好内容となるも株価が乱高下

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 携帯電話組み込みソフト「NetFront」を提供するACCESSの株価が乱高下している。このほど発表した2009年第1四半期決算は市場予想を上回る好内容だったものの、株価は下落した。乱高下の背景と、ACCESS株を取り巻く環境、株式市場の評価を探った。

 ACCESSは12日に2009年第1四半期決算を発表した。第1四半期の連結売上高は前年同期比23%減の43億4200万円、経常損益は12億3800万円の赤字(前年同期は42億8400万円の赤字)となった。国内携帯電話メーカー向けのロイヤリティー収入が好調。売上高こそ減少したものの、前年同期から比較した経常赤字が大幅に改善している。

 ACCESSは今期、経常損益で11億円の黒字(前期実績は111億1700万円の赤字)と3期ぶりの黒字浮上を計画している。ただ、中間期計画は40億8700万円の経常赤字。下期から急速に巻き返す計画となっていた。

 この計画に対しても第1四半期の実績は良好。市場ではこの第1四半期決算発表の以前、売上高で40億円程度、営業損益で23億円程度の赤字を想定していた。会社側発表の営業損益は11億5800万円の赤字であり、株式市場の予想も大幅に上回ったことになる。

 第1四半期決算を発表したACCESS株の評価は上々。最上位の投資判断「1」を継続した大和総研では「外注管理の厳格化を通じた粗利益率改善、販売管理費抑制が想定以上で、極めてポジティブな決算であった」とコメントしている。欧州系のUBS証券は否定的な見方を継続しているものの、日興シティ証券も最上位の投資判断を継続している。

 決算発表を受けた13日のACCESS株は朝方こそ買い注文が先行したものの、次第に売り先行となり、結局大幅安で取引を終えた。市場予想を上回る決算を発表したACCESS株はなぜ、売られたのか。

 ひとつは反動。ACCESS株は決算発表を取引終了後に控える12日に、決算発表への期待感から大幅高となっていた。好決算を先取る形で株価が上昇していたことで、実際に決算が発表された後は好材料が出尽くしてしまったのだ。

 もうひとつは株式市場の環境。新興市場は3月期決算が相次いで発表された5月中旬以降、手掛かり材料を欠いて売買人気が低迷している。好材料が浮上した銘柄でも買い注文が続かず、人気が短命で終わるケースが多くなってきている。今回のACCESS株の値動きは、新興市場の低迷を象徴する動きでもあった。

 ACCESS株は、ライブドア退場後の東証マザーズ市場をけん引してきた主力銘柄であり、新興市場を代表する存在。年初以降、新興市場の低迷を表すような値動きを続けており、現在は年初来の安値水準で推移している。売買人気も盛り上がらず、更なる下値が懸念される状況だ。ただ、実態面は改善傾向が一層、強まってきている。

 株式市場では、「iPhone」の登場、人気化が読まれる中でメーカー間の開発競争激化も予測されており、ACCESSのような組み込みソフト会社が恩恵を受けるとみる向きが多い。ACCESSは携帯電話以外にも市場規模が大きいカーナビやデジタル家電向けへの参入で、中長期的な成長期待も高まってきている。

 新興市場の復調が待たれる中、ACCESS株には下値圏でも仕込み妙味が高まってきているようだ。

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