eBayは米国時間6月16日、「eBay Developers Conference」(16〜18日開催)において、同社のネットオークションで売り手が利用するアドオンの新しいマーケットプレイスを発表した。このプログラムによって開発者は基本的に、eBayが中規模および大規模の小売業者に現在提供しているオンラインアプリケーション「Selling Manager」にあるすべてのデータにアクセスできるようになる。
salesforce.comやFacebookなどプラットフォーム化しているほかのオンラインアプリと同じく、「Project Echo」という名前のついたeBayの新構想では、顧客にまとめて提供できる豊富なデータへのアクセスに加え、開発したアプリケーションの流通経路を開発者に提供する。
Project Echoで、アプリ開発者は求めている潜在顧客にしぼってアプリを売り込める。例えば、大口のエレクトロニクス販売業者のみを対象に設計したアプリがあるとする。Project Echoによって、対象の業者はアプリの売り場を訪れて列をなすが、ほかの関係ない業者は煩わされずにすむようになるというわけだ。
Project Echoのプログラムに参加する開発者は、一定の信頼性基準を満たす必要がある。また、すべてのアプリは30日間のフリートライアルを提供しなければならない。その見返りとして、開発者は「Project Echoに組み込まれた者だけが利用できる特別なAPI」にアクセスできるようになると、eBayでモバイルプラットフォームおよびディスラプティブイノベーション担当のシニアディレクターを務めるMax Mancini氏は述べている(そう、ディスラプティブイノベーション=破壊的革新は、Mancini氏の本物の肩書きだ)。
Project Echoは2008年の第4四半期にテストに入るが、ホリデーシーズン商戦を混乱させないために、2009年第1四半期まで公開ベータ版にはならない。
筆者の見方:eBayの経済にとってよい機能拡張になりそうだ。また、Mancini氏によると全目録の28%がサードバーティのツールを通じて出品されているということで、eBayとしてはこの分野で先手を打っていく必要がある。計算すると1カ月あたり60億回APIが呼び出されているのだ。ついでながら、eBayが30日間のフリートライアルを必須とするルールを設定するのは歓迎だ。
ディスラプティブ技術について言うなら、eBayで非力な販売者を狙う詐欺行為がはびこりつつある現状に、同社がどのような対策を講じようとしているのかと、筆者はMancini氏に尋ねた。具体的な回答は得られなかったが、Mancini氏は16日からの開発者会議で発表があるとし、この時点では「信頼されるマーケットプレイスを作ることがわれわれにはきわめて重要だ」とのみ語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力