ミネソタ州の小さな町が、Googleに対して、「Google Maps」の「Street View」から町の画像を削除するよう要求した。
同州のノースオークスは、州都セントポールの北に位置し、4500人が暮らすプライベートなコミュニティだ。この町の道路はすべてが住民の私有地となっており、町の住民は、よそ者が道をうろつくことにいい顔をしない。たとえそれがインターネット上だけのことであってもだ。ノースオークスのウェブサイトによると、道路は私有地であり、町を訪れようとする者は、無断立ち入り禁止の看板を目にすることになるという。
そのため、ノースオークスの通りや家の画像がGoogle MapsのStreet View機能で表示されたとき、町の関係者らは非常に不快な思いをした。この機能では米国の多数の都市について、ドライバーの視点から見た町の風景を画像で表示できる。「Minneapolis Star Tribune」紙の報道によると、ノースオークス町議会はGoogleに書簡を送り、画像を削除するよう求め、これに従わない場合は同社が不法侵入で召喚される可能性があると伝えたという。
ノースオークス町長のThomas Watson氏は、Minneapolis Star Tribune紙の取材に対し、次のように語っている。「これは別に、世間を遠ざけておこうと試みる横柄な住民の話ではない。Googleはとにかく、私有地に立ち入る許可を一切取っていなかったのだ」
Googleの広報担当者、Elaine Filadelfo氏が同紙に語ったところによると、同社は町から要請を受けて間もなく画像を削除したという。
同氏は、「1つの町全体が画像の削除を求めるというのは、非常に珍しい」とMinneapolis Star Tribune紙に語り、個人からの要求があればGoogleは画像を削除する、と付け加えた。
Street Viewに関して、Googleに苦情が持ち込まれたのはこれが初めてではない。サービス開始からほどない2007年5月には、プライバシー擁護派が、個人の顔やナンバープレートの写った画像を公開しているとしてGoogleを批判した。これを受けて同社は2008年5月、同サービスで人の顔にぼかしをかける技術を試験中だと発表した。
2008年4月には、ペンシルベニア州ピッツバーグにすむ夫婦が、Street Viewに自分たちの家の写真が掲載されているとしてGoogleを訴え、家に通じる道に掲げた「私道」という標識を同社も尊重すべきだと主張した。夫婦の訴えによると、同社の「無神経な行為」が「原告の私的な情報を公の目にさらした」という。
自分の私有財産が通常の画像としてネット上で公開され、居心地の悪い思いをした人は、さらに情報がさらされることを覚悟しておこう。Googleは米国時間5月15日、Street Viewの写真撮影とあわせて3Dデータを収集していることを認めている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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