[レビュー](前編)待ち焦がれた相棒は、堂々たるフラッグシップモデルだった--オリンパス「E-3」ロングタームレビュー - (page 2)

礒村 浩一 (Isopy)2008年05月27日 19時54分
オリンパス
内容:オリンパスから「Eシステム第二章」におけるフラッグシップ機として登場した「E-3」。デジタル専用設計のシステムと防塵防滴で堅牢なボディはフォーサーズシステム初のデジタル一眼レフカメラ オリンパス「E-1」譲りのものだ。
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 E-1ではマウント向かって左側にあったワンタッチWBがE-3ではなくなってしまったのは残念。あやまって押してしまうこともあったが、それよりもワンタッチでWBを取る事ができる便利さがよかった。E-3ではFnボタンにワンタッチWB機能を割り当てることも可能だが、Fnボタンを押しながらシャッターボタンを押すというワンタッチとは言えない操作が必要だ。E-3ロゴの下には環境光を検知する光源センサーを配置。

  • E-3の軍艦部ボタン&ダイヤル配置

 E-3の軍艦部ボタン&ダイヤル配置はE-1より全面的に変更となった。シャッターボタン上部に配置されていたサブダイヤルはシャッターボタン下部のグリップに納められている。E-1にあった撮影モードダイヤルは廃止された。その分、液晶コントロールパネルは広くなっている。ボタン類の整然とした並びとペンタプリズム部の張り出しがE-3を武骨に見せている。

 E-3の背面レイアウトはいままでのEシステムの基本レイアウトの流れを踏襲している。E-1では親指をいっぱいに伸ばす必要のあったメインダイヤルの位置が、楽に届く位置に変更となって操作しやすくなった。

 AEロックボタンの位置はメインダイヤル上部に移り、かわりにファンクションボタンが新設された。また十時ボタンの中心にOKボタンが配置された。これらはE-510とほぼ同じ配置である。背面モニターには2.5型約23万ドットのハイパークリスタル液晶が採用されており、2軸可動式を採用することでフリーアングルでの画面表示およびライブビュー撮影を実現している。

 電源スイッチは従来の軍艦部の回転レバー式から背面下部のレバー式へと変更された。また背面からもうかがえる大きなペンタプリズム部は視野率100%、倍率1.15倍のファインダーを実現するためのものだ。これにより、撮像素子が小さいフォーサーズはファインダーが狭い、と言われてきたデメリットを払拭するほど広くて見やすいファインダーを実現している。尚、ペンタプリズム部にはE-1にはなかった内蔵フラッシュも搭載されている。

  • 液晶モニターは2軸可動式を採用。左右180°、上下270°の回転が可能。フリーアングルでのライブビュー撮影が可能だ

  • フリーアングルの液晶モニターは裏返して格納することも可能。移動や収納時の液晶保護にもなる。ちょっとしたことだが嬉しい配慮だ。あえて撮影中に液晶画面を見ないことで撮影に集中させるという使い方にも有効だ

  • ボディ右肩にある「Fnボタン」には多くの機能を割り当てられる。この「Fnボタン」がE-3の使いこなしの肝だと言ってもよいだろう。それだけに「Fnボタン」が1つしかないのがとても残念だ。複数の機能を使い分けられるともっと便利なのだが……

  • Fnボタンには以下の機能を割りあてることができる。私のお勧めは「ワンタッチWB」だ。 「プレビュー/ライブプレビュー」「ワンタッチWB」「AFホームポジション」「MF切替」「RAW切替」「P/A/S/Mモード切替」「試し撮り撮影」「マイモード撮影」「水中ワイド/水中マクロ」「Fn OFF」

  • 新発売の外部フラッシュ「FL-50R」「FL-36R」を使用することでワイヤレスでの他灯フラッシュ撮影ができる。3グループx3灯で最大9灯までのコントロールが可能。E-3からグループごとの発行量の調整ができるのでシステマティックなライティングができる

  • メイン&サブダイヤルは機能を任意に入れ替えることができる。私の場合はすべてのモードにてメインが絞り(または露出補正)、サブがシャッター速度

  • ペンタプリズム部に内蔵されたフラッシュGN13(ISO100)。E-3から採用されたワイヤレス多灯フラッシュシステムのコマンダーとしての機能も持つ。もちろんポップアップ時も防塵防滴

  • ボディ左手側の下角には少し盛り上がる形で小さいながらもグリップが設けられている。カメラを構えているときには気がつかないが、レンズを交換するときや背面モニターを見るときなどに、ちょうど指がかかる位置となっており安定感に貢献している

  • E-510,E-410と同様、スーパーコンパネを搭載。多くの設定がスーパーコンパネから設定できる

  • カメラの基本操作は、メニュー画面を通さなくとも直接操作できるようにダイレクトボタンが用意されている。各ボタンを押しながらメインまたはサブダイヤルを操作して設定する。設定はコントロールパネルと背面液晶モニターの両方に表示されるので、直感的な設定が行える。ストラップ取り付け金具は埋め込み式となっておりD環に取り付けるタイプよりもごつくて安心感がある。カメラ左サイドのコネクターはリモートケーブルRM-CB1の端子。RM-CB1はE-1と共用できるが、ねじ込みリングが小さくてとても回しにくい。寒いなかでも手袋をしたままで回せるようなものに改良してほしい

  • インターフェースにはUSB2.0 Hi-SpeedとミニプラグのAV出力が用意されている。E-1に採用されていたIEEE1394インターフェースは廃止された。経験上、実際の撮影現場ではMacへの転送はIEEE1394で接続した方がUSB2.0での転送よりも速く感じるので、IEEE1394の廃止はとても残念だ。DC入力端子にACアダプタ(別売)を接続して撮影することも可能

  • E-3はUDMA規格のCFカードに対応。メディアスロットはCF/マイクロドライブとxD-ピクチャーカードのデュアルスロットを採用している。メディア間のコピーが可能だが、同時記録やRAW・JPEGファイルの振り分け記録などには対応していない。両メディアの書き込みスピードの違いから同時記録が難しいとの判断の結果と聞いたが、せっかくのデュアルスロットなのだからうまく対応してもらいたいところだ。ただ、現行で最大容量が2GバイトしかないxD-ピクチャーカードを1000万画素クラスのデジカメに使用するメリットは感じられない。xD-ピクチャーカードを開発したオリンパスの事情もあるのだろうが、やはりSDHCカードなどの選択も検討してもらいたい

  • E-3に使用するリチウムイオン充電池はE-1やE-510と共通の「BLM-1」。付属している充電器はE-510にも付属する「BCM-2(満充電約5時間)」である。E-1に付属していた「BCM-1」も使用可能なので、急速充電が必要な場合は「BCM-1(満充電約2時間)」を使用することもできる。ただ急速充電は充電池への負担も大きいので、普段の充電では「BCM-2」を使用するなどの使い分けをしたい

  • E-3にパワーバッテリホルダー「HLD-4」を装着。縦位置シャッターボタンとメインダイヤル、FNボタン、AFターゲットボタンを搭載。横位置グリップと同様の操作が可能。ちょっと太めのグリップだが慣れてしまえば悪くない。E-3と併せるとずんぐりむっくりなイメージ

  • 「HLD-4」には「BLM-1」を2個収納でき長時間の撮影に対応。単三乾電池を使用できるホルダー「AABH-1」が付属する。E-1のパワバッテリーグリップ用の充電池「BLL-1」は使用できない。メインダイヤルの位置が親指を掛ける位置と離れていて操作しにくい。グリップ性を重視した結果なのだろうが、ぜひとも再検討していただきたい

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