E-1のAFスピードはお世辞にも早いとは言えないレベルのものであった。静物や動きの少ない被写体には問題ないものではあったが、動きの速い被写体の撮影には結構苦労をさせられた。ところがこのE-3ではAFシステムそのものが別次元のものとなり、同時発売されたズイコーデジタル初の超音波モーター内蔵レンズ「ZUIKO DIGITAL ED 12-60mm F2.8-4.0 SWD」との組み合わせでは世界最速AFを謳うほどである(E-3発売時オリンパス調べ)。
今までのEシステムでは一貫して3点だったAF測距点(AFターゲット)が一挙に11点へと増え、それらすべての測距点が縦線と横線を認識するセンサーを掛け合わせたクロスセンサーとなっている。そのうえ各センサーは2ラインで構成され、そのラインを半ピッチずつずらした千鳥配列にすることで、認識精度を上げているという。
さらに光源の違いによるAF精度のブレもAFセンサーに使用するセパレーターレンズの改良と外光の解析精度の向上により改善したそうだ。また暗い場所でのAF精度も上げられており-2EVという低輝度においてもAFが可能となった。実際に多くのデジタル一眼が苦手とする暗い環境においても、驚く程にしっかりとAFが働いてくれる。これらAFの改善は超音波モーター内蔵(SWD)レンズだけでなく、従来の非SWDレンズにおいても有効となっており非常にありがたい。
E-3のAFモードは11点のAFターゲットすべてを使用して自動選択をする「オールターゲット」、任意1点のAFターゲットを使用する「シングルターゲット」、任意1点のAFターゲットとその周囲のAFターゲットで被写体を捕捉する「ダイナミックシングルターゲット」の3モードが用意されている。
AFモードの切り替えとAFターゲットの選択はボディ右肩にある「AFターゲットボタン」を押してメイン&サブダイヤルまたは十字ボタンを操作して行う。「AFターゲットボタン」を押すとファインダー内のAFターゲット表示が赤く点灯するので、ダイヤルおよび十字ボタンを操作して任意のAFモードとポイントを選択する。AFモードの切り替えとAFターゲットの選択は背面液晶モニターを利用したスーパーコンパネやMENU画面からの操作も可能だ。
AFターゲットの切り替えは上記の初期設定での切り替え方法とは別に「循環1」「循環2」という選択方法が用意されている。これらをうまく利用し、素速いAFターゲットの選択を行うことができる。
E-3のAFターゲットモードおよびAFターゲットの選択方法は、若干くせのあるものなの。相応の慣れが必要だ。もう少し直感的に操作できる機構があるとなお良い。たとえば、ソニーα700のようなAFジョグスティックのような即応性の高い選択方法もいいだろう。
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