ウィルコムが2009年春よりサービスを開始する次世代PHSサービスの内容が明らかになってきた。伝送速度は上下それぞれ最大100Mbps以上、時速300kmの移動中でも通信できるように開発を進めている。これは代表取締役社長の喜久川政樹氏が5月26日に明らかにしたものだ。
次世代PHSサービスのサービスブランドは「WILLCOM CORE」。COREとはCommunication Of Revolution and Evolutionの略といい、コミュニケーションの核になるプラットフォームを目指して名付けられた。
上下100Mbpsという通信速度は、割り当てられている周波数帯30MHzを全て使い、さらにMIMOと呼ばれる高速化技術を採用した場合。ウィルコムに割り当てられている周波数帯は、ほかの通信との干渉を防ぐため、10MHz分は2014年まで利用が制限されている。このため、2009年のサービス開始時はこれよりも遅くなる可能性が高い。
時速300kmという移動中の通信については、すでにシミュレータで通信可能なことを確認している。このため、基地局の準備が整えば新幹線内でも通信が可能になる。
喜久川氏は次世代PHSの最大の特徴として、実行速度の安定性を挙げた。携帯電話の場合、下り最大数Mbpsの通信速度といっても、実際には数百kbpsしか出ていない場合が多い。しかし次世代PHSなら、理論値に近い速度が出せるというのだ。
エリア展開については、2009年の3月もしくは4月に東京の一部でサービスを開始。その後、10月ごろから名古屋、大阪などの大都市圏や政令指定都市へと広げていく。
ウィルコムは今後、全国16万カ所に設置した基地局を活用した動画ネットワークを構築する計画だ。これに向け、約30の企業と研究会を発足する。既存の基地局を次世代PHS向けに変更する工事をする際に、定点カメラ等の動画ネットワークを構築するのだという。具体的なイメージとして、カーナビゲーションシステムに渋滞個所の状況を生中継で配信するといったことが考えられるという。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス