東芝は5月8日、代表執行役社長の西田厚聰氏出席の下、2008年度経営方針説明会を開催した。2007年度の実績と2010年度へ向けたロードマップを示し、今後の取り組みを話した。
2007年度(2007年4月〜2008年3月)の売上高は7兆6681億円と5517億円のプラスとなり、前年同期比8%増であった。しかし営業利益は203億円マイナスの2381億円、当期利益も100億円マイナスの1274億円と利益は減少。この結果を同社では、NAND型フラッシュメモリの価格下落とHD DVD事業の終息の影響によるものと分析しており、8%という成長率も「前年、前々年に比べれば成長率は鈍化している」(西田社長)とした。
そんな中でも売上高を2006年度の3兆5000億円から4兆円へと引き上げた海外事業、営業利益が合わせて688億円へと増益したPC事業、社会インフラグループ、さらに27%から31%へと売上高比率を拡大した環境調和型製品などは堅調は推移。この成果をもとに東芝では「新たなバリューの創出」「グローバル体制の強化」を行うことで、“攻め”の経営を行い2010年度に売上高10兆円、営業利益5%を実現すると計画している。
今後の主要事業として挙げられたのはデジタルプロダクツ、電子デバイス、社会インフラの3つ。デジタルプロダクツではPC、テレビのグローバル展開をはじめ、テレビの高画質化、小型HDDの連続投入、PCとモバイル機器の融合商品を投入するなどして売上高の伸長を図るとしている。
テレビの高画質化においては、超解像機能と呼ばれる技術を搭載した高解像度テレビの開発を示唆。現在の標準画質をリアルタイムに高画質化できるテレビの開発を行っていくとした。
また、電子デバイスでは第5、6製造棟の2棟同時着工と大幅な設備投資が行われているNAND型フラッシュメモリの競争力強化、小型、大容量、低価格のSSD商品の拡大などメモリ事業の再構築を行うことで、2010年には2兆円規模、年平均成長率13%と大きな伸びを予測。PC、HDD開発部隊全面協力のもと、ノウハウをすべて集結させたというSSDに関してはノートPC市場に最注力し、32Gバイトから512Gバイトまでをラインアップ展開する。
さらにディスプレイ事業では、有機EL製品に重点を置き「2008年度には携帯電話向けの小型パネルを製品化し、その後、ノートPC用、車載用ディスプレイなどに展開する」と明言した。
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