ロサンゼルス発--Googleの最高経営責任者(CEO)であるEric Schmidt氏は、ロサンゼルスで開催されたIBM Business Partner Leadership Conferenceで講演を行い、IBMのCEOであるSam Palmisano氏と壇上で話をした。2人は共同研究プロジェクトを初めとする両社の結びつきを語った。GoogleとIBMは2007年10月に、分散処理や並列処理に関するGoogleの専門知識と、産業企業分野におけるIBMのマネジメント技術を基にした、大学が共用するクラウドコンピューティング構想を発表している。
IBMはこのプロジェクトで得た知識の一部を活用し、パートナーがウェブベースのアプリケーションを収容して顧客に販売できる「クラウド」を運営する計画だと、Palmisano氏は語った。「コンシューマー分野から得たものをエンタープライズ分野に応用するのは、これが初めてだ」と同氏は言う。
Schmidt氏は、時が経つにつれてコンシューマーとエンタープライズのアーキテクチャはそれほど区別がなくなるだろうと語った。大きな違いは、エンタープライズの顧客はセキュリティなどの機能を必須としてソフトウェアおよびサービスに金を出すが、コンシューマーはそうでないことだ。
Schmidt氏はIBMについて、現在のコンピューティングアーキテクチャを支える技術の多くを開拓したと大いに称賛した。そして、Googleよりもおよそ87年長い歴史をもつIBMが、基礎となるプラットフォームはサーバとWebサービスであると理解していることを同氏は指摘した。
「クラウドコンピューティングはわれわれの生涯の目標だ。最終的には、すべてのデバイスがネットワーク上に置かれる」とSchmidt氏は語った。IBMとGoogleの両社も、また他の多くの競合企業も同じことを考えているが、最初にこの考え方を打ち出したのは、実を言うとSun Microsystemsの「ネットワークこそがコンピュータ」というスローガンだった。そしてGoogleは、膨大な数の並列サーバが処理するページの成果をお金に変える方法を考え出した。
IBMは、インフラストラクチャとサポートサービスを世界に提供したいと考え、Googleは世界中の情報といくつかのアプリケーションを自社のプラットフォームで提供したいと考えている。「この2社はすばらしい。遺伝子プールに多くのイノベーションをたたえている」とPalmisano氏は語った。同氏は、両社に「戦略における重複部分はあまりない」と述べ、どちらもオープンスタンダードとオープンインターネットに力を入れており、両社とも同じ方向に向かっていると付け加えた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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