ブロードバンド市場の世界的な急成長によって、リッチコンテンツにフォーカスする企業が増えてきた。これに伴い、大容量のコンテンツをインターネットで最適に配信するために設計されたコンテンツデリバリーネットワーク(CDN)の需要も急速に高まっている。CDNを簡単にいうと、専用の高速回線ネットワークで結ばれた配信サーバを各地域、もしくは世界各地に設置し、エンドユーザーの位置に応じて最適な配信サーバから大容量のコンテンツを配信する仕組みだ。これにより、音楽や動画、ゲーム、大容量アプリケーションなどをスムーズにエンドユーザーへ届けられる。
こうした中で、独自の特徴的なCDNを世界的に展開する米国Limelight Networksは、CDN市場を上回る企業成長を見せている注目株だ。2007年3月には100%出資の日本法人も設立(正式営業開始は2007年7月)し、すでに大企業での利用も進んでいる。
米LimelightのSenior Vice President Global Products Marketing and Salesを務めるDavid M.Hatfield氏に、近況や世界展開などについて聞いた。Hatfield氏は、VERITAS Software(後の米Symantec)や、Akamai Technologiesなどにいた経歴を持つ。
世界展開しているCDN企業で、スケールとパフォーマンスに注目している企業というのはたしかにLimelightとAkamai Technologiesの2社のみでしょう。ただし、CDN自体はほかにも50以上の企業が展開しています。こうした中で、第二世代のネットワークを有して展開しているのはLimelightだけです。
我々のバックボーンのトータルキャパシティは2007年1月に1Tbpsを超え、現在2Tbpsとなっています。これはCDNの中で最高の数値でしょう。そして、非常に膨大なストレージが可能になっています。90以上のPOP(Point Of Presence)ロケーションが世界各地にあって、POPごとに100台以上のサーバを配置しています。こうしたCDNをうまく活用しているため、CDN市場が32%〜34%という伸びに比べて、我々は売上高で63%と2倍の伸びを示しています。そして、Limelightの後に続いているCDNというのはスケールが我々の半分にも満たないのです。そのため、高パフォーマンス、ハイクオリティの差別化ができています。
差別化という意味でCDNの分野には大きく2つの点があります。まず1点目は、CDNのアーキテクチャーが第一世代かどうかということです。我々は本当の意味でリッチなメディア体験に特化した第二世代のCDNを持っています。ネットワークのデザインそのものが違うわけです。このデザインでは、「オーディエンスサイズ」、「ポピュラリティ」、「オブジェクトサイズ」、「ライブラリサイズ」の4つの要素を重視しており、第一世代ではこのそれぞれに異なる構造のネットワークが必要でした。4要素を意識した第二世代CDNによって、常にコンスタントにどのユーザーも同じリッチ体験ができるのです。
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