たとえば、つい最近発売されたゲームでも、10年前に発売されたゲームでも、ユーザーが期待した通り同じクオリティで体験できなければいけません。大容量のファイルを非常に膨大な数の大衆に配信するときもあれば、数人にしか配信しないときもあります。1つのイベントを何百万人もが見ているときもあれば、何百万人もが何百万ものイベントを見ているときもあります。
こうしたさまざまな場面において、エンドユーザー1人1人にまったく同じ体験を提供しなければならないわけで、これは、第一世代のCDNではぜったい無理なのです。90年代の第一世代では10KB程度の画像(JPEG)が流せればよかったのですが、いまでは高解像度のビデオでは36GBぐらいの容量から必要になってくるのです。
CDNの差別化ではもう1点、価格という点もあります。経済性が高く、コストの低いものを提供できるように注力しています。そうすることで、利益を上げられるベンチャービジネスをどんどん育てていくということが大切で、メディアビジネスが栄えて、より多くのコンテンツが生成され、そして質の高いメディア体験を必要とするユーザーが増えていくことにより、ビジネス自体が広がっていくと考えています。
CDNは、常にコンスタントな投資をして拡張していかなければなりません。15カ月ぐらい前までは、トータルキャパシティとしては1Tbpsで十分だったのですが、それを拡張して倍にする必要があったわけです。地域的には、アジア太平洋では東京もあれば香港もあって、シドニーもあります。欧州、中東、アフリカも既に押さえてます。今後どの地域のネットワークを拡張していくかというのは、顧客の要望したいです。顧客の需要が一番高いところにいくということになります。
ネットワークの体制としては、グローバルでスケールの大きいものができあがっているので、2008年に注力しているのはセールス、マーケティング部門。世界の重要な市場において顧客に滞りなくカバーできるように米国、フランス、ドイツをはじめとして、もちろん日本も重要な市場として位置づけています。
あまり舞い上がってはいけませんが、ベリーナイス!。今回の来日の目的は、日本の既存の顧客やパートナー、見込み顧客の方々と話をさせてもらうために年に何回か来ているその一環ですが、想定以上にニーズが高いということをひしひしと感じています。そして、日本について我々が目指している市場でのポジションを得られるように適切に投資できているかというのもチェックしていますが、レーベルゲートや日経新聞、ソニー・コンピュータエンタテインメント、マイクロソフトのようなプレミアブランドと呼ばれるような会社に利用されている実績などを見ると、現状では非常に満足しています。
とても巨大でエキサイティングな市場だと思います。すでに、現地のパートナーを通じてサービスを提供していますが、将来的なオプションについてはいま評価をしているところです。中国市場はいろいろチャレンジする段階にあると思うので、どういった投資をするべきか非常に慎重に考えなければならないでしょう。米国本社のバイスプレジデントであるDr.ホンチアという人物が中国におけるテクノロジー面でのソリューションや戦略を考えています。韓国や香港、タイと比べて中国だけが遅い、中国だけが画質が悪いなど、つまり中国の体験だけが劣っているというのは許されない話なので、プライオリティを高めて戦略を練り、かならずかたちにします。
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