インターネットブラウザのOperaが新バージョン「9.5」の正式公開に向けて動いている。2007年10月に9.5のベータ1を公開しており、4月24日(米国時間)にはベータ2を公開した。6月までには9.5の正式版もにリリースする計画だ。
ただし、ライバルの動きも活発だ。Microsoftは3月5日に「Internet Explorer 8 Beta 1」を、Appleは3月11日に「Safari 3.1」を、Mozilla Foundationは「Firefox 3 Beta 5」を4月2日に公開したばかり。ブラウザをめぐる競争は激しさを増しているのだ。
このような中で、Operaはどのようにして勝ち残りを図っていくのだろうか。Opera Softwareシニアバイスプレジデントで、コンシューマ製品を担当する冨田龍起氏に話を聞いた。
まず、Opera 9.5の新機能について見ていこう。正式版では、「Operaリンク」機能および全文履歴検索機能「クイックファインド」を搭載するほか、メールクライアントの強化やブラウザをさらに高速化した。
ベータ2で搭載されたクイックファインドは、Operaで閲覧したサイトの履歴を、URLだけでなくウェブページ内の本文まで検索できる機能。キーワードをアドレスバーに入力することで、該当するページの検索結果がプルダウンメニューで表示される。「記事を読んだ記憶はあるが、どのサイトの記事であったか忘れてしまった」ときなどに便利な機能だという。この機能は、閲覧したページをインデックス化し、ブラウザのキャッシュに保存することで実現している。
キャッシュ容量はユーザーが変更できる。当初、キャッシュサイズを大きい数値に設定するとブラウザの動作が遅くなってしまう問題があったが、現在では解決されているという。見たいサイトをあらかじめ表示しておけば、外出先などネットワークのつながらない場所でもオフラインで閲覧できる。
Operaリンクは、Operaユーザー向けのコミュニティサイト「My Opera Community」を活用し、複数のデバイス間でOperaブラウザに関するデータを同期する機能。My Opera Communityは、無料のユーザー登録をすることでブログ、フォトアルバム、オンラインブックマークなどを利用できるサービス。
登録したユーザーIDとパスワードをブラウザに設定すると、ブックマーク内のデータをMy Opera Community内に保存し、同期する。これにより、複数台のPCや携帯電話向けのフルブラウザ「OperaMini」などで、同じブックマークを使えるようになる。また、自分がよく利用するサイトをサムネイル画像付きで最大9個まで管理できる「スピードダイヤル」などの機能も同期される。
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