田島 「女性らしさ」や「やわらかさ」といったことをコンセプトにしてはいますが、一方で光学機器としての「精密さ」をどこかで表現したいと考えていました。そこで、ヒンジ部分にメッキをポイントで入れたり、レンズ周りに金属素材を使ったりして、精密さや品位を表すようにしています。
ただ、それは、ある意味「やわらかさ」とは相反する部分です。だから、どこにそうしたハードな部分を残すのかについては、けっこう頭を悩ませました。そこで、いくつもモックをつくって、全体の印象や手に持ったときの感じを確かめながら、最終的な形に詰めていきました。
また、Xactiは面の構成が独特で、可動部分も一般的なカメラに比べて多くなっています。そのためデザイン的な難易度も高いのですが、それは逆に特徴を表しやすいということでもあるんです。
たとえば、ふつうのデジタルカメラの場合は、人の目に触れるのは正面だけであることがほとんどですよね。でもXactiの場合はいろんな角度から見られる可能性があります。しかも液晶部分が開閉します。そのため、製品にいろんな表情を持たせられるんです。そこで、どういう状態で見てもかわいくなるように細部を作り込んでいます。
塩路 可動部分が多いということで、堅牢性を高める必要もありました。そのため、どのくらいの強度を見込んでデザインするのかということを、設計者と詰めながら進めていましたね。
田島 たとえば、パネル部分は0.1mm単位で厚みを調整しています。また、ヒンジと本体の接触部分は、パネルを開閉したときにこすれて傷がつかないようにレールをつけています。ほかにも、パネルを閉じたときに衝撃を和らげるため、クッションのゴムなどをつけているんですが、そうしたパーツがデザイン的なアクセントになるよう工夫しています。
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