Boyd氏はこの少年は捕まったのではないかと考えている。そして、彼は間もなくあちこちのフォーラムやサイトから自分に関するすべての証拠を消すに違いない。少なくともYouTubeのビデオはついに削除された。
Boyd氏は実施していた調査の1つで、オンラインの世界が実世界に通じている例を見つけた。このケースは「World of Warcraft」というゲームを使った詐欺であり、次のような仕組みである。実世界では、マルチプレーヤーゲームにアクセスするにはタイムカード(専用のプリペイドカード)を購入する必要がある。詐欺師たちは家電店に行き(そこではタイムカードが密封されていない)、偽物のベータトライアル版のカードを紛れ込ませる。
Boyd氏によると英国ではタイムカードはビニールで密封されているが、米国の一部の店では密封されていない。そして詐欺師たちは店員の視線がそれるのを待って、タイムカードの中に偽のカードを滑り込ませるのだ。
あなたがタイムカードを買って帰宅すると、World of Warcraft(などのゲーム)を15日間無償で試してみませんかなどと書かれたカードが出てくる。あなたはサイトに行って、実際のアカウントの番号、クレジットカードの番号、電話番号などのすべてのログイン情報を入力してしまう。こうしてあなたはフィッシング詐欺の被害者となるのである。
Boyd氏は、米国のElectronics Boutiqueに対してこうした詐欺行為が蔓延していることを警告する機会を得た。何か対策が取られたかどうかはBoyd氏にはわからないが、その詐欺師のフォーラムに行ってみると、そのトピックはすでに存在しなかった。削除されたのだ。
また、少年たちに対して「最近自分がハックしたものをさらす」ように求めるサイトも存在する。Boyd氏によると、ある少年は世界のどこかのデスクトップにトロイの木馬を仕掛けて、そのデスクトップの所有者が画面で閲覧している内容を見られるようにした。たまたまその所有者は児童ポルノを見ていた。そこで少年は、これはおもしろいと思って画面のスクリーンショットを取り、「ハックしたものをさらせ」のフォーラムに投稿してそれを公開した。
Boyd氏は「この少年は、やったぞ、児童ポルノを見ている小児性愛者を捕まえたと思っていたのだろう」と語る。しかしこれで少年は児童ポルノを「ハックしたものをさらせ」フォーラムを見ていたすべてのユーザーのデスクトップに配置してしまったことになる。もし警察当局がこれを見ていた誰かのデスクトップのブラウザキャッシュやハードディスクを調べたら、非常にまずいことになる。そしてやはりというべきか、こうした小児性愛サイトの中にはBoyd氏の言うところの、あまりかかわるべきでない人物によって運営されているものもある。「もしあなたが完全な変質者とやりとりをかわしてしまったとしたら、相手がどんな人間か、何をする人間かわかったものではない」(Boyd氏)
Boyd氏は、もし自分が多くの違法な素材を掲載したサイトを持っていて、それが突然どこかのハッカーフォーラムにまき散らされていることを知ったとしたら、実世界でそのハッカーたちを探し出してやろうと思うだろうと言う。「その場合には少年ハッカーたちと同年代であるふりをすることができるかもしれない。このような状況からは、不気味で身の毛のよだつような事件が次々と起こる可能性がある」(Boyd氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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