Microsoftからの買収提案に揺れる検索大手のYahooは、同社を守ると申し出るホワイトナイトをまだ見つけられていない。だが米国時間4月8日、第2の大株主である投資信託運用会社のLegg Masonが同社を支持していることが再び確認されたと、The Wall Street Journal(WSJ)が報じている。
報道によると、Legg Masonのポートフォリオマネージャーを務めるBill Miller氏は、現在の買収額をMicrosoftが引き下げるなら、Legg MasonはYahooの支援に回るだろうと述べたという。Microsoftからの一方的な買収提案における買収額は、現時点で1株あたり29.17ドルとなっている。
「Microsoftが価格を下げるのなら、Yahooが買収を受け入れる方が独立を維持するより好ましいとは言いかねる」と、Miller氏は記事の中で語っている。
Microsoftが2月1日に一方的な買収提案を発表した時点での買収額は、1株換算で31ドルだった。だが、それ以降にMicrosoftの株価が下がったため、買収価値は下がっている。Microsoftは現金と株式交換による買収を提案しているため、Microsoftの株価によって買収額が上下するのだ。ただし、Yahooの株主は、買収価格分をすべて現金で受け取るか、すべて株で受け取るかを選択できる。
Legg Masonはこれまで、Microsoftの提案に対する見解を表明することに消極的だった。買収提案が2カ月前に発表されたときも、Legg Masonは、1株あたり31ドルという最初の買収提案額よりも高い額を希望すると表明するにとどまっていた。
Miller氏はWSJによる取材の中で、企業が買収を申し出る場合、最初から最終金額を提示することは通常ないので、最初の買収提案額は低すぎると考えていると述べた。
では、Miller氏は今の買収額についてどう感じているのだろうか。WSJの記事によると「さほど魅力的なものではない」とMiller氏は語ったという。
WSJによれば、Miller氏の運用するポートフォリオ「Legg Mason Value Trust」にはMicrosoftの株は一切含まれていないとのことだ。そのため、このポートフォリオでは利益背反を心配する必要はない。
しかし、Yahooの他の主要株主の多くは、Microsoftの株も所有している。RiskMetrics Groupが発表した最近のレポートによると、Yahooの株を持つ機関投資家の90%が両社の株を保有しているという。さらに、そうした機関投資家のうち、上位20社中の15社はYahooよりもMicrosoftの株を多く保有している。ただし、このレポートが公開されたのは2月中旬のことなので、投資家の構成はそれ以降変わっている可能性がある。
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