他メディアとの連携で真価を発揮するモバイル広告 - (page 2)

村上勇一郎(ドコモ・ドットコム)2008年04月11日 15時26分

他メディアとの連携こそがモバイル広告の真骨頂

 筆者は10年近くインターネット業界に携わっており、その経験から「モバイルはメインメディアにはなりえない」という持論がある。携帯電話が高機能化し、PCに追いつこうとしてはいるものの、画面サイズや表現力を考慮した場合、4大メディアの持つ力にはかなわないというのが正直なところである。

 モバイルメディアの特性はその圧倒的な接触時間にあり、他のメディアと連携することで真価を発揮すると考えている。また、他のメディアを阻害しない形でユーザーに接触できるのも特徴で、テレビで見たちょっと気になることを調べるのにモバイルは最適のデバイスだと言える。それはテレビ以外のメディアでも同様のことが言える。携帯電話を中心(ハブ)としたクロスメディアプロモーションにこそモバイル広告の真骨頂があると思っている。

携帯電話はどんなメディアとも連携が可能 携帯電話はどんなメディアとも連携が可能(各メディアの市場規模は電通「2007年 日本の広告費」による。ただしPCとモバイルの市場規模は電通総研「2007年〜2011年のインターネット広告費に関する試算」に基づく)

 今後はそれぞれのメディアの特性を活かしながら携帯電話といかに連携するかが重要となり、それを設計できるか否かがモバイル広告成功のカギと言える。

 テレビは広くあまねくお知らせする「告知力」では最強のメディアだ。雑誌においてはユーザーの嗜好性に特化した形でモバイルコンテンツを提供すると効果がある。実際、NTTドコモの検索キーワードランキングの中にも、なぜ登場したかが分からないキーワードが急上昇してくることがあるが、よく調べてみると、朝の「目覚ましテレビ」などの番組で放送されていた内容であったり、「ポップティーン」などの雑誌の中で(一般の人は知らないが)良く使われる言葉であったりするから非常に面白い。

 その他にも新聞メディアの持つ信用力は絶大であるし、ラジオのパーソナリティとリスナーの絆(親和性、親近感)は他のメディアに類を見ない。ラジオのモバイルコンテンツの企画をいただいた際にお聞きして、びっくりしたことがあるが、ラジオの通販は他のメディアに比べて、クレームや返品が少ないとのこと。つまりは、パーソナリティがおすすめするものに対して、リスナーは「毎日聞いている、ラジオ番組のパーソナリティがおすすめするものだったら信用できる」と感じているらしいのだ。

 こういった色々なメディアと連携して、その良さを失わず連携することがモバイル広告には必要になる。

モバイルは他のメディアの特徴を生かして連携することが必要 モバイルは他のメディアの特徴を生かして連携することが必要になる

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